
部下は、どんなときに「頼れる上司」としてリーダーを信頼してくれるのだろうか。部下の信頼を得るには、ここぞというときの発言はもちろんのこと、日ごろから公言するタイミングを持つことも重要だと、五十嵐剛氏は語る。その根拠を解説してもらった。
※本稿は、五十嵐剛著『任せる勇気』(三笠書房)から一部抜粋・編集したものです。
「責任の所在」は任せるときに伝えることも大切ですが、メンバーとの信頼関係を築くためには、日常的に公言する機会を作ることも非常に有効です。
では、いつ、どのように責任宣言をするべきか。私の経験から、次の3点をおすすめします。
1.リーダー就任時
2.全員の前で
3.うだうだ言わずに明確に
それぞれ解説していきましょう。
新プロジェクトの立ち上げ時、あるいはリーダー交代のタイミングなど、このような新しいリーダーの就任時こそ、最初に「責任の所在」を宣言することが極めて重要です。
メンバーは、新リーダーに対して「どんな人なんだろう」と不安を抱いているものです。
そんなメンバーたちに、第一声で「このプロジェクトのすべての責任は、私がとる」「だからみんなは安心して、自分の仕事に全力を尽くしてほしい」と明言をすることで、たとえすぐに100%の信頼を得られなくても、「このリーダーなら信じてもいいかもしれない」という信頼の呼び水を注ぎ込むことができます。
次に大事なのが、「全員の前で」宣言することです。
メンバーそれぞれに個別に宣言した場合、「私の前ではそう言っているけれど、肝心なときには知らんぷりするのではないか」という疑念の種が、メンバーの中に残ってしまう可能性があります。
そうした不安を取り除くために、全員に、同時に伝えましょう。
最後に、細かな前提や条件などを「うだうだ言わない」ことが肝心です。
間違っても「真剣に取り組んで、私の指示通りに動いていれば、責任はとる」などと、責任を負う場合の前提条件を付け加えてはいけません。
たしかに、何でもかんでもリーダーのせいにされるのは本意ではないでしょう。「失敗しないように、せめて口出しはさせてほしい」と、釘を刺しておきたい気持ちも痛いほど理解できます。
しかし、それでは結局「指示型リーダー」とやっていることが変わりません。
だから、最低限のレッドラインを設けたのであれば、あとは余計なことは言わずに「責任は私がとるよ」とだけ伝えましょう。
簡潔な一言のほうが、メンバーの心に響くものです。
更新:06月25日 00:05