
頭のいい人は、最初から「正解」を狙いません。
世の中には素晴らしいアイデアを生み出す頭のいい人がいます。他の人には思いつかないような発想を得たり、優れた洞察力で新しい解決法を見出したりすることのできる人が「本当に頭のいい人」だといえるでしょう。
けれども、本当の頭のいい人は、いわゆる“良いアイデア”だけを何とかして得ようとする人ではありません。逆です。むしろ次のような考え方をするものです。
「俺(私)は、クオリティはどうでもいいや、数で勝負!」
人を驚かせるような発想のできる頭のいい人は、「質」より「量」にこだわります。とにかく人の何倍ものアイデアを出そうとするのです。たくさんの量を出そうとしていれば、そのうちに運よく質の高いアイデアも出てくるだろう、という姿勢を取ります。
ニューヨーク市立大学のアーロン・コズベルトは、65名の著名な作曲家の15657曲を分析するという研究を行っています。
5年ごとの期間にわけて見ると、もっともたくさん曲を書いている時期に、後年、名曲と呼ばれる曲も生まれることがわかりました。とにかく大量に創作すればこそ、オリジナリティのある作品も生まれるというわけです。
ちなみに、モーツァルトは35歳で死去するまでに600曲、ベートーベンは生涯で650曲、バッハは1000曲以上も作っていますが、高く評価されているのはそのうちのいくつかにすぎません。素晴らしい曲は狙って得られるのではなく、努力によって得られるのですね。
発明王のエジソンもそうです。エジソンは、生涯で1300件以上もの特許をとりました(米国の特許だけでは1093件)。その発明の中には、白熱電球や蓄音機、映画用カメラなどの素晴らしいものもありましたが、死体復活マシンやら、コンクリート製のピアノなど、悪ふざけとしかいいようがない、ろくでもない発明もたくさんあるのです。決してクオリティの高い発明ばかりではないのです。クオリティなど二の次、三の次でよく、とにかく量にこだわるのが頭のいい人の発想です。
本当に頭のいい人には、次のような思考のクセもあります。
「○○(外国の地名)では…」
外国での生活を経験している人ほど、同じ国でずっと暮らしてきた人に比べて、柔軟な発想ができます。同じ国で暮らしていると、どうしてもモノの考え方が固定化されてしまい、杓子定規な発想しかできません。
その点、外国で暮らして異文化に接していると、いろいろな考え方があることに気づかされますので、思考の柔軟性も高まるのです。
欧州経営大学院(INSEAD)のフレデリック・ゴダートは、ファッション業界で働くクリエイティブ・ディレクターについて、11年間分のコレクションに対するバイヤーとファッション評論家の評価について調べてみました。
すると「もっとも創造的」と評価されたコレクションは、海外経験の豊富なディレクターのものであることがわかったのです。海外に長く住むほど、新しいコンセプトを生み出すことができます。1番オリジナリティが高いとされたコレクションは、海外勤務歴が35年のディレクターのものであることもわかりました。
本当に頭がいい人なのかどうかは、その人の海外滞在歴を調べればおおよそ予想ができると考えてよいでしょう。
最後にもうひとつ、本当に頭のいい人がよく口にするセリフを注意して聞いていると、「子どもっぽい」という特徴があることにも気づかされます。たとえば、次のセリフです。
「あのね~、これがね~、こうなっててね~」
「え~、ヤダヤダ!まだまだ止めないよ~」
知的で頭のいい人は、非常にクールな思考をとるのかというと、現実にはそうではありません。むしろ子どもっぽいのです。
米メーン大学のコリン・マーチンデールが50名ずつの男女について調べてみると、子どもっぽい人ほど創造性テスト(新聞紙のユニークな使い方などを考えるテスト)で高得点を挙げたそうです。
子どもっぽい人というのは、常識はずれの思考をとりやすく、それゆえ発想が豊かなのです。私たちは、一般に大人になるほど発想が貧困になってゆくものですが、本当に頭のいい人は子どもの頃の発想を大人になってもつづけるのです。
普段はとてもクールに見える人が、いきなり幼児語などを口にするとギョッとしてしまうかもしれませんが、本当に頭のいい人はそういう言動をとることもある、ということを知っていれば、そんなに驚かずにすみます。
更新:07月31日 00:05