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運動習慣が9割続く⁉ 世界中の心理学者が認める「最強の習慣化法」

堀田秀吾(言語学者[法言語学、心理言語学]・明治大学教授)

「科学的に証明された~」

「続けよう」と決意したのに三日坊主で終わる。その原因は意志の弱さではないかもしれない。行動の成功率を高める心理学の技法を紹介してもらった。

※本稿は、堀田秀吾著『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された時間をムダにしない人の習慣』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

条件を設定するだけで、行動の成功率が2~3倍に高まる

世界中の心理学者が「最強の習慣化法」と呼ぶのが、イフ・ゼン・プランニング(If-Then Planning) です。これは、「もし(If) ~ になったら、そのとき(Then)...する」という条件を設定するだけで、脳が自動的に行動の準備を始めるというものであり、数多くの実験で、行動の成功率が2~3倍に高まることが証明されています。

この効果を実証したのが、バース大学のミルンらの研究です。ミルンらは「運動を習慣化したい」人々を
•「月・水・金に運動する」とだけ決めたグループ
• 「もし月・水・金の朝になったら、出勤前に30分走る」という条件を設定したグループ
に分け、行動の変化を比較しました。

すると、後者の運動の継続率は39%→91%に跳ね上がったのです。

同様に、ドイツのコンスタンツ大学のアヒトジガーらは、「もし高カロリーな食べ物を食べたくなったら、そのことを忘れる」と3回唱えさせる実験を実施。

その結果、参加者のカロリー摂取量は半分にまで減少しました。

さらに、テニス選手を対象にした研究では、「もし集中力が切れたら、深呼吸をする」と条件づけたグループが、他の選手よりも高いパフォーマンスを維持しました。

なぜ、「イフ・ゼン・プランニング」にこれほど効果があるかというと、人類が進化の過程で、「危険を感じたら逃げる」「空腹を感じたら食べる」など、If-Then型の行動を最優先にして、生き延びてきたからです。

脳にとって「もし〜なら...する」という形式はもっとも記憶しやすく反応しやすいパターンなのです。

 

イフ・ゼン・プランニングをセットしよう

では、さっそくイフ・ゼン・プランニングを実践してみましょう。

具体的には、次のようなやり方があります。

1誘惑のトリガーを入れ替える

もし(If):仕事に飽きて、無関係なサイトを開きそうになったら、
その時(Then):タイマーを10分セットして、コーヒーを淹れるために席を立つ。

2飽きを「タスク変更の合図」にする

もし(If):資料作成に飽きて集中が切れたら、
その時(Then):5分だけフォルダ整理やメール分類などの単純作業に切り替える。

3集中を維持する時間を決める

もし(If):15時になったら、
その時(Then):25分だけ作業に集中する。

なお、私たちが誘惑に負けるのは、意志が弱いからではありません。

やらなければならない仕事があるときほど誘惑に負けやすいのは、脳がストレスを感じ、大脳新皮質よりも大脳辺縁系の働きが優位になってしまうからです。

しかし、ニューヨーク大学のゴルウィッツァーは、イフ・ゼン・プランニングが、この衝動を抑えるスイッチになると示しました。

たとえば、
「もし勉強中にゲームをしたくなったら、深呼吸を5回する」
「もし仕事中にサッカーの試合を観たくなったら、コップ一杯の水を飲む」

といった具合に条件をセットすれば、大脳新皮質の働きを活発化させ、衝動を抑え、やるべきことに集中できるようになります。

イフ・ゼン・プランニングは、「動けない時間を、動ける時間に変える方法」であるともいえます。行動量が確実に増えますし、迷いが減る分、集中力も高まります。誰にでも簡単にできますから、ぜひ今日から始めてみましょう。

プロフィール

堀田秀吾(ほった・しゅうご)

言語学者(法言語学、心理言語学)・明治大学教授

司法分野におけるコミュニケーションに関して、社会言語学、心理言語学、脳科学などの様々な学術分野の知見を融合した多角的な研究を国内外で展開している。著書に『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科』(SBクリエイティブ)など多数。

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