特別対談　土井香苗×山口真帆＆西村菜那子（NGT48）

社会を良くするためにアイドルにできること

社会をよりよくしていくためには、スマートな問題解決策もさることながら、それを実行するための前提条件が必要になる。最後に土井氏は、人々の「意識」を変えることの重要性を強調する。

土井　社会を変えるためには、みんなの意識がかわることがとても大事です。こうすべきだ、こうすればよくなるというソリューションが見えているからといって、簡単に「それを導入しましょう」とはならない。難民にしても、日本が千人受け入れれば、大変な思いをしている千人の人生が変わる。１億人の人口がある国で、たった千人を受け入れることも決して難しくない。ただでさえ若い人口が足りない国ですし。うまく行く方法はわかっているんです。でも、やっぱり難民を受け入れるという国民意識がないと政治家は政策にはしてくれないものなんですよ。
だから国連にしてもNGOにしても、著名人に親善大使としてメッセージを発してもらうわけです。人々の意識を変えようとしているんです。難民キャンプにもいわゆるセレブリティがよく訪問しているのも、メッセージを発信する能力がある人が必要だからです。

山口　メッセージを発するためには、影響力を持った人になることも大事ですよね。

土井　その通りです。有名になれば、そのメッセージは瞬時に大きく広がりますから。だから、山口さんがおっしゃるように、世界平和のためにアイドルになるというのは、いい選択です。

山口　本当ですか？

土井　総理大臣を目指す人に「夢はなんですか？」と聞いたら、おそらく「世界平和」と答えるんじゃないかなと思います。でも、影響力で言ったら、政治家よりもトップアイドルの方が上かもしれません。総理大臣よりもアイドルの言葉に「そうだよね」とうなずく人も、大勢いるんじゃないでしょうか。

山口　今日は、メディアを通してしか知らなかった、本格的に社会貢献活動をされている方のお話をうかがうことができて、とても勉強になりました。

西村　NGT48としても、これから社会貢献活動をしていけたらいいなと思います。

土井　世界平和と、日本をすべての人が幸せになれる国にするために、超セレブリティを目指して頑張っていただきたいです。

山口・西村　ありがとうございました！

＜『THE21』2016年4月号より＞