2016年01月27日 公開
2023年05月16日 更新
AKB48の新たな姉妹グループとして、1月に劇場デビューしたNGT48。新潟から全国へ、そして世界へと羽ばたくためには、ダンスと歌以外にも学ぶべきことはたくさんある。48グループの未来を担う若きメンバーたちが、異分野のプロ、エキスパートに教えを乞うこの連載。第1回は、キャリア8年目にして新プロジェクトを任されたNGT48のキャプテン・北原里英が、「新潟発・全国展開」の大先輩である、「ばかうけ」でおなじみの栗山米菓社長・栗山敏昭氏にリーダー論を学ぶ。<取材・構成=鈴木初日、写真撮影=永井浩>
昨年10月、劇場デビュー前ながら栗山米菓の看板商品「ばかうけ」のPR大使に就任したNGT48。「アイドルのことは詳しくなかったが、ひと目でピンときた」栗山社長が即決したという。実は、この日が初対面だった二人。まずは、それぞれがリーダーになる決意をしたときの気持ちを語り合うところから対話は始まった。
北原 最初に「NGT48に行け」と言われたとき(*)には、もちろん悩みました。でも、それよりは新しい土地で、新しいことを始められるという気持ちのほうが大きかったので、あまり重く考えずに「新潟に行こう」と決めたんです。
(編集部注:「NGT48に行け」と言われたとき……2015年3月、北原はAKB48から新設されるNGT48へキャプテンとして移籍することを打診された。AKB48グループでは、チームの組み換えや姉妹グループへの移籍など、「人事異動」がしばしば行なわれる)
栗山 その姿勢は素晴らしいですね。「なんで自分が?」とか「なんで新潟なんかに?」とか(笑)、思ったらうまくいかない。まずは「よし、新しいことをやってやろう」という前向きな気持ちがなければリーダーは始まらないですから。私が会社を継いだ時は、栗山米菓はいまよりずっと小さな会社でした。でも、「やってやろう」という気持ちでしたから。
北原さんはリーダーとして、どんなことを大事にしていきたいと思っていますか?
北原 まずは、挨拶がちゃんとできるグループになってほしいです。私が教えられることって少ないと思うんですが、挨拶や人様への態度だったら自分も気を付けていることですし、自信を持って教えられるので。
栗山 なるほど。挨拶は大事ですね。挨拶がいい加減になっていったり、人の気持ちがわからなくなってくると危ない。
北原 危ないというと?
栗山 おごりが出ているということですからね。挨拶とか、感謝の気持ちを忘れないことです。北原さんはまだお若いのに「挨拶が大事」とおっしゃるから驚きました。私がリーダー論を話すまでもない(笑)。
北原 いえいえ! 早速、すごく勉強になってます!
栗山 特に社長になると、社員は絶対私に遠慮するでしょう。だから、勉強会に参加したり、自ら主催したりして、遠慮なく文句を言ってくれる仲間を外部に持つようにしていますね。
そういえば、明日は伊勢神宮に行くんです。夜の8時くらいに川に褌で入って禊をします。
北原 えっ! 寒いですよね。
栗山 寒いですよ。でも、そういうことをやっていかないとおごるようになってしまう気がするんですよ、トップになると。
北原 大変ですね……。経営者は本当に難しいお仕事だと思うんですが、社長は悩んだりしないんですか?
栗山 常に悩んでます。しかし一方で、私はあまり物事を深く考えすぎずに動くということも心がけています。今日も「雑誌の取材があります」と言われて「はい、来ました」という感じなんですね。
北原 流れに任せるということですか。
栗山 そうです。社員が問題を起こしたらそのとき対処すればいい、業績が下がってきたら上げればいい。流れに任せることで、心穏やかでいられる。これは自分なりに意識してきたつもりです。ですから、そんなに怖い人には見えないでしょ?
北原 はい。でも優しそうな中にも威厳があって。やっぱりトップに立つ人は違うと感じます。
栗山 それは、19年も社長業をやりましたから。社員に鍛えられ、お客様に鍛えられて。
北原 実は私も、芯は持ちつつ、いい意味で流されていきたいと思ってきたんです。実際に新潟に来て、キャプテンをはじめてみて、思ったよりはなんとかなるんじゃないかと感じています。
栗山 そうやって楽しめれば、いい方向に行きますよ。
更新:11月21日 00:05