
チームをうまく動かしたいあまり、仕事を抱え込み結果として業務過多になってしまうリーダーは少なくない。キャパオーバーになり、失敗を経験した著者が行った「チームを成功に導く」方法とは...。
※本稿は、五十嵐剛著『結果を出すチームのリーダーがやっていること』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです。
数値目標ではなく、その先にある理想や夢をスローガン化して共有すること。これができると、チームのメンバーが目指す方向性が一致し、一体感が出てきます。
そうしたら次にリーダーがすべきことは、スローガンの実現に必要な「役割」を設定し、それぞれのメンバーに割り振ることです。
「役割」とは、チームのなかでリーダーがそれぞれのメンバーに果たしてもらいたいことです。
たとえば「お客さまとの商談担当」「製品の大まかな設計担当」「よりよい製品へのつくり込み担当」「コスト管理担当」「外部メディアへの情報発信担当」といった仕事の割り振りです。
役職がついているメンバーであれば、「チームのまとめ役」という役割もありえますし、役職には関係なくコミュニケーション能力の高い人には「チーム内での潤滑剤役」を割り振ることもあります。オーケストラであれば、あなたはバイオリン、あなたはチェロ、あなたはクラリネットね、と楽器を決めていくイメージです。
こうしたチーム内での役割は、それぞれのメンバーがどんな分野で頑張ればいいのかを示すガイドラインとなります。これらの役割を決めないままメンバーそれぞれが動くと、無駄が多くなり非効率的ですし、実際問題、チームがまともに機能しないでしょう。
チームを立ち上げるときからあなたがリーダーであれば、あなたの好きなように役割を割り振れますが、既存チームのリーダーを引き継いだりしたときには、役割が先に振り分けられていることが多いでしょう。
この場合にも、新たにスローガンを掲げ、その先にある夢・理想の実現のために必要な役割を自分のなかでリストアップし、その割り振りに合わせて既存の役割分担を修正したり、調整したりすることをオススメします。そうしたほうが、一体感があって生産性が高いチームをつくれるからです。
メンバーの「役割」を意識しつつ与える業務上の指示のことを、私は単なる指示とは区別して「役割指示」と言っています。
チームを機能させるためには、リーダーがメンバーに対しただの指示をするのではなく、役割指示を与えることが欠かせません。
常にそれぞれのメンバーの役割(さらには、自分自身の役割)を意識することで、リーダーがついメンバーの仕事にまで手を出してしまったり、メンバーに振るべき仕事を抱え込んでしまったりすることを防げます。
メンバーの側でも、業務範囲のかぶりが減って、より効率よく仕事を進められますし、何をすればいいのかが明確になるので迷うこともなくなります。
加えて、スローガンの共有で夢や理想といった「目的」を共有しているチームでは、メンバー各自の「役割」が明確になると、同時に一定の責任感も生まれてきます。
責任と言うと重く感じるかもしれませんが、割り振られた役割はメンバーに適度な緊張感を与えてくれるものです。「求められている役割をなし遂げたい」と強いモチベーションにもつながり、メンバーが自分で考えるようになります。
自ら考え、自ら働く「自働性」が生じ、チームとしての底力が上がっていくでしょう。
更新:05月27日 00:05