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アサヒグループ食品社長が考える「運が良くなる」一つの心がけ

2023年12月05日 公開

川原浩(アサヒグループ食品(株)代表取締役社長)

 

毎朝出勤したときに 必ず行なっていること

――社員の方々とのコミュニケーションについてはどうでしょう。良い人間関係づくりのために、されていることはありますか?

【川原】ありきたりですが、元気よく挨拶すること。廊下などで会えば必ず、「やあ!」「どうしてる?」と声をかけます。それから、どんなことにもきちんと「ありがとう」を言いますね。

――どちらも、とても重要ですね。それでいて、つい忘れられがちでもある気がします。

【川原】そうなる理由も、確かにあるんです。企業というものは、業績を追求する組織ですね。つまり現在の「一歩先」に意識が向く性質を、本質的に持っています。

そのため、今あるもの、今そばにいる人、いつもしてもらっていることを「当たり前」だと感じやすいのです。でも本当は、当たり前ではない。「今」への感謝は、共に働く人とのつながりを強め、組織を盤石にすると思います。

――今の有難さに気づく。自分も周囲も幸せになる習慣ですね。

【川原】そうそう、「先人」に感謝する習慣もありました。大阪府吹田市に、アサヒグループの「先人の碑」といって、すでに世を去った社員やお客様を合祀した碑があるのですが、僕は毎朝出勤したら、その方角に向かって手を合わせます。

会社の礎となった方々への感謝を込めて、「どうぞ本日もお守りください」「僕は、そのために今日一日、全力を尽くします」と祈る。これでスイッチが入ります。明るく楽しく、そして真摯に、仕事に向かうことができるのです。

【川原浩(かわはら・ひろし)】
1966年、神奈川県生まれ。90年に慶応義塾大学を卒業後、(株)日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入社。その後、チェースマンハッタン銀行(現・JPモルガン証券)、ゼネラル・エレクトリック・インターナショナル、カーライル・ジャパンを経て、2020年にアサヒグループ食品(株)専務取締役兼執行役員となる。翌21年より現職。

 

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