2019年05月02日 公開
2023年03月07日 更新
安部政権の下、女性活躍を推進しているにも関わらず、いまだ女性管理職の割合が12%でG7国の中で最低の日本。制度など働く環境改善も必要だが、女性の管理職への意識づけも同時に高めていく必要があるのではないだろうか。
SEとして働く傍ら2人の子育てを両立して、役員を経験した宮下律江氏。ご自身の体験も踏まえながら、女性が抱える管理職へ踏み出せない壁を超えるためのヒントを提言してもらった。
さる12月に世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の2018年版が発表されましたが、調査対象となった149カ国のうち日本は110位(スコア0.662)でした。
日本が低い順位となっている主な分野は政治と経済で、経済は117位(スコア0.595)、政治は125位(スコア0.081)です。
経済の中では働き方改革推進が後押しされていることもあり、「労働参加率」の項目が79位(スコア0.799)になっている一方で、「管理職ポジションに就いている男女の人数の差が大きいこと」の項目が129位(スコア0.152)となっており、まだまだ女性管理職の割合が低い状況になっています。
この背景には、人事評価の仕方など企業側が改善する必要がある問題もありますが、ある調査では「管理職は無理」「なりたいとは思わない」という「女性側の意識」が原因になっている部分もあるようで、私がいたJALグループでは女性活躍推進の一環で「JALなでしこラボ」というグループ横断な活動があり、その中のアンケート調査でも「仕事を通じて自己成長したい。やりがいを感じたい」と思う人は5割以上いるにも関わらず、「管理職になりたいか」「管理職を目指しているか」という設問に対しては「そう思わない」人が5割近くいました。
その背景として、以下の理由があるようです。
① ロールモデルがいないのでどうしてよいかわからない
② 自信がない、リーダーシップをとるのが苦手
③ 管理職が辛そうにしているのを見るとあえてなりたいとも思わない
このような不安や管理職に対する魅力を感じないところもあると思いますが、少し角度も変えて見て欲しいと思います。
次のページ
特定のロールモデルにとらわれないリーダーシップ >
更新:11月22日 00:05