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「仕事はしたいけど、管理職にはなりたくない」。女性のキャリアを阻む意識の壁とは?

2019年05月02日 公開
2023年03月07日 更新

宮下律江(株式会社エターナリア 代表取締役)

特定のロールモデルにとらわれないリーダーシップ

女性管理職が少ないのですから、社内に女性の特定のロールモデルを見つけるのは難しいです。従って、特定の人に固執せずまた男女関係なく、「仕事のやり方」という切り口で、色々な人の参考にしたい所をパーツパーツで取り込み、自分流にアレンジするとよいです。

男性の中にも、効率よく仕事ができる人、コミュニケーションが上手い人、絶妙な意思決定をする人など、参考にしたい人がいるのではないでしょうか。

男性から学ぶことは、男性の目線を理解することの役に立ちます。

私の場合、物事の考え方や判断ポイントを男性上司から学びました。例えば、ある問題が発生した際、私が提示した解決策は、自分の持ち分の中でやりくりした近視眼的なものでしたが、上司は先を見据え、あるべき形で解決策を考えた大局的視点のもので、自分は制限ありきで物事を考えてしまっていた、とはっとさせられました。

本来は、「まずはどうあるべきか」を考え、次に「制限をどう解決するか」を考えるべきであると学びました。 この時学んだ物事の捉え方は、その後上位マネジメントに進んだ時に、大いに役立ちました。

一方で女性の特性もあり、女性から吸収したいこともあると思いますので、社内にいない場合は社外の人と交流する中でロールモデルを見つけるとよいです。今は女性の交流の場がたくさんあり、様々な業種で活躍されている女性は多く、他の人と触れ合うことで刺激をもらったり、利害関係がない分、社内では言いにくい相談事もできたり、意外なヒントをもらえる場合もあります。

 

自分のやりやすいリーダーシップスタイルで

「リーダーシップ」にも色々なタイプがあります。 ビジョンを掲げてぐいぐい引っ張っていくビジョン型、部下に自分の長所や短所を気づかせ、それを踏まえたうえで仕事の目標に到達するプロセスを手助けするコーチ型、みんなを仲良くさせて、チームの共鳴を生み出すリレーション型など、時代と環境などによっても多種多様なスタイルが出てきます。

従って、「こうでなければならない」という正解はなく、自分の特性や強みを活かしながら、自分のやりやすいスタイルでやってみるとよいと思います。

私は課長の頃、大手外資系IT企業の女性と一緒にプロジェクトをやっていたのですが、歯に衣着せぬ言いっぷりでの指示出し、隙のない身のこなしなど、正にキャリアウーマンの鏡のように思い、私もその人を真似した振る舞いをしていたことがありました。

ただ、私が属している企業は昔からある日本企業。企業文化が異なる中で、全てトップダウン調で進めようとしても上手くいかず、結果的には部下達にも相談しながら、役割分担もしながら仕事を進めていくことにしました。

気負って一人だけでやろうとせず、言葉で伝えながら周りも巻き込み、チームで達成していく方が組織の力を高め、長続きします。

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