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圧倒的なスピードを実現するソフトバンク流の「時短」とは?

2017年09月14日 公開

冨澤文秀(ソフトバンクロボティクス代表取締役社長)

「できない」という議論は時間のムダ

ソフトバンクグループといえば、その「圧倒的なスピード」で知られている。冨澤社長自身、孫正義ソフトバンクグループ社長の元で多くのことを叩き込まれた。これまで、孫社長のもとで数多くの新規事業を立ち上げてきたが、孫社長の要望は常にタフなものだったという。

「孫社長はゴールしか提示しません。スケジュール設定もすごく厳しい。我々にはとうてい無理だと思えるのですが、社長は多くの経験から『できる』という感覚を持っている。我々はそれを実現する方法を考え、実行しなくてはならないわけですから、大変ですよ。
たとえばその道のプロが10年かかると言うことでも、半分でやれと平気で言ってくるわけです(笑)」

それでも、「できません」とは決して言わない。

「私もそれなりに経験を積んできましたが、社長の言葉を聞いて『え?』と耳を疑うことが今でもあります。その瞬間は実現のための方法論などまったく見えませんが、『わかりました』と涼しい顔で返事をします。言葉のやり取りはそれだけ。そうして、後で死ぬほど考えるのです」

ソフトバンクにおいて、絶対にやってはいけないのは、「できない理由」について議論することだという。

「なぜなら、できないことを『できない』と証明するのは、実は極めて難しいからです。だったらむしろ、できることを挙げていき、できない理由をひとつずつ潰していけばいい。
そして、取れる方法はすべて実行する。すると、最初は無理だと思っていたスケジュールがいつの間にか達成されていたりするのです。
それがソフトバンクイズムであり、スピーディな進化の原動力になっていると思います」

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著者紹介

冨澤文秀(とみざわ・ふみひで)

ソフトバンクロボティクス[株]代表取締役社長

1972年生まれ。NTTを経て、2000年、ソフトバンク・コマース入社。ソフトバンクモバイル プロジェクト推進部長、ソフトバンク事業推進統括部 統括部長などを歴任したのち、11年10月よりロボット事業責任者。14年8月より現職。

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