2019年11月21日 公開
2022年02月01日 更新
解禁を表明する大手企業も出始め、社会の注目を集めている副業・兼業。しかし、本業で手一杯なのに、副業・兼業でさらに神経をすり減らすのはつらい……。そう感じるビジネスパーソンは、いっそ自分の趣味や好きなことを副業・兼業にしてしまってはいかがだろう。これまで400名以上の起業・副業の指導を行なってきた戸田充広氏に「好き」をお金に換える方法をうかがった。
取材・構成 林 加愛
近年、「副業」をめぐる世の中の流れは大きく変わってきました。数々の企業が副業解禁に踏み切る中、副業は「影でこっそり行なうもの」から「大っぴらに行なってよいもの」に、そして今後は「せざるを得ないもの」になっていくでしょう。
なぜなら副業解禁の裏には、企業の「人件費を抑えたい」という思惑があるからです。残業代の負担を減らしたい、できれば会社の外でも働けるくらい自立してほしいというわけです。
その中で、勤務先だけを頼りにするのはハイリスク。長い定年後の年月を安泰に過ごすためにも、今のうちに「どこでも稼げる力」をつけたいところです。
副業をするにあたっては、「稼ぎ方」も重要ポイント。「雇われる副業」と「雇われない副業」のどちらを選ぶかで、人生は大きく変わります。
前者は、雇用先をもう一つ持つ働き方。メリットは翌月からすぐ収入が入ることですが、その職を失えば次を探さなくてはなりません。労働時間が雇用先の都合で左右されるのも難しいところ。本業と副業双方の時間管理に追われ、疲弊する人も少なくありません。
対して後者は、自営や起業など、自らの手で収入を生み出す働き方です。収入に結びつけるまでには一定期間かかりますが、時間の使い方ははるかに自由。全体的なマネジメント力も鍛えられ、稼ぐ力がアップします。
始める際は、目的設定をすることも不可欠です。単に「月に5万」などの金額だけでなく、「子供の学費」「老後資金」など、使い道を明確にすることで、序盤で収入が少なくてもくじけずに踏ん張れます。収入が上がったときにも「なんとなく使ってしまう」失敗を防げるでしょう。
「雇われない副業」は、内容を自由に作り出すことができます。そこで、好きなこと・得意なことをどう活かすかを考えましょう。
ただし、本業で培ったスキルを活かす際は注意が必要です。会社の顧客を奪ったり、社内の情報を外に漏らしたりするのは厳禁。ここは本業よりも、趣味や過去の経験など、個人的な領域を活用するのがお勧めです。
次に、それらをお金に変える方法を考えましょう。
ここで役立つのが、次ページの「非常識マトリクス」です。既存の常識にとらわれない発想で、ユニークなサービスや商品を編み出せます。
加えて、既存の仕事に新しい要素を付加できないか、と考えるのも良い方法です。例えば写真が趣味なら、「コスプレ専門カメラマン」など一分野に特化すれば競合が少なくなって有利。
他に「鉄道好き」という趣味もあるなら、両者をかけ合わせて「撮り鉄専門撮影指導」といった仕事を作り出せるでしょう。
このように、他にない仕事を始める場合、悩むポイントが料金設定です。ここで安くし過ぎるのは失敗のモト。参考にすべき基準は、現在本業で得ている収入を時間給に換算した額です。
手間暇を含むコストを差し引いた額が、この時間給を下回らない料金に設定しましょう。
集客に関しては、SNSやブログが便利です。「ランサーズ」などのクラウドソーシングに登録するのも一つの方法ですが、手数料が引かれるのがデメリット。その点、SNSならばすべて自分の裁量です。
自力で稼ぐ能力を鍛え、これから始まる「副業時代」を大いに楽しみましょう。
更新:11月21日 00:05