THE21 » ライフ » 骨粗鬆症や認知症予防にも? ふくらはぎを鍛える「片足つま先立ち体操」

骨粗鬆症や認知症予防にも? ふくらはぎを鍛える「片足つま先立ち体操」

2026年09月10日 公開

中山潤一(整形外科医)

ストレッチをする男性と女性のイラスト

ふくらはぎを効果的に鍛える「片足つま先立ち」体操をご紹介します。両足よりも負荷が高く、筋肉や血流をしっかり意識して行うことで、歩行の安定や体幹強化につながります。さらに転倒防止に加え、骨粗鬆症や認知症の予防効果も期待できる体操です。

※本稿は、中山潤一著『動ける体が大復活する1分体操』(株式会社アスコム)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

ふくらはぎが元気になる「片足つま先立ち」体操

片足で立って、そのかかとを上げる体操です。

それだけで、ふくらはぎの筋肉が強くなります。ふくらはぎの働きは、歩行を助けてくれる頼もしい筋肉です。

また、体幹が鍛えられます。つまり、背中やお腹の筋肉が鍛えられるということで、歩いたり立ち上がったりするのがスムーズになります。

同時に平衡感覚が高まっていくので、転びにくくなります。
膝まわりの筋肉も強くなって、膝の痛みも軽減します。

骨粗鬆症も予防できます。いいことずくめではないでしょうか。必ずつかまる物を用意してください。

ゆるいのに、動ける体が復活する「片足」ベースの1分体操①

ゆるいのに、動ける体が復活する「片足」ベースの1分体操②

ゆるいのに、動ける体が復活する「片足」ベースの1分体操③

③のときにふくらはぎが緊張していることを意識すると、単に動かす「動作」だけに集中したグループより、筋肉の増加率が上がることが報告されています。前者の緊張を意識したグループが12.4パーセント増であるのに対し、後者の動作だけのグループは6.9パーセント増と、かなりの違いがありました。(※1)

注意点は、①のポーズで両足をそろえて立ったり、膝が真っすぐに伸びた状態だと、バランスが取りにくくなります。片足を上げたときに、軸足の膝が真っすぐ伸びているとバランスが取りにくくなり、倒れやすくなります。膝は軽く曲げたままにしてください。

視線は真っすぐ前に、一点を見つめるのも、大切なポイントです。バランスをとりやすくなります。

背筋を伸ばすのも忘れずに。曲がっていると太ももに余計な負担がかかります。

なにより、呼吸は止めず、自然に続けながら行います。

この〈つま先立ち〉は、両足いっぺんにやる体操もあります。ですが、片足でやることで、ずっと効果を上げることができるのです。

両足でやると体重が2本の足に分散されますが、片足なら全体重が1本の足にかかるので、ふくらはぎの筋肉により強い刺激が加わります。

さらに、バランスをとって姿勢を保つために重要な深層筋(インナーマッスル)も同時に鍛えられます。

つまり、片足でやることで、同じ動き・同じ回数でも自然と負荷が増し、下半身の筋力が上がり、体幹も鍛えられるということです。

 

(※1)Schoenfeld BJ, Vigotsky A, Contreras B, Golden S, Alto A, Larson R, Winkelman N, Paoli A. Differential effects of attentional focus strategies during long-term resistance training. Eur J Sport Sci. 2018 Jun;18(5):705-712.]

 

「ふくらはぎ」の底力

ふくらはぎの筋力が上がれば、どうなると思いますか?

片足で立つ体操をすれば、「ふくらはぎ」の筋肉が鍛えられて、歩くときに足を後ろに蹴り出す力がつきます。

今よりも速く歩けるようになり、歩き方が安定します。
ふくらはぎの筋肉が鍛えられれば、「血流」も良くなります。

ふくらはぎが「第2の心臓」と言われているのはご存じでしょう。それは、歩くために足を蹴り上げたときに、ふくらはぎが心臓と同じように、血液を送り出すポンプの役割をしているからです。

つまり、ふくらはぎは、全身の血流を促してくれる筋肉だということです。ふくらはぎが元気なら、全身の血液の流れが良くなります。

血液は酸素や栄養素を体中に届けてくれる大切なものですから、その流れが良くなるに越したことはありません。

ふくらはぎの筋力が強くなってから歩けば、足の血流がますます良くなります。そうなれば脚のむくみが取れるだけでなく、全身の血流が改善します。

全身の血流が良くなれば、骨を作る骨芽が 細胞の活動が活性化するので、骨粗鬆症の予防にもなります。
全身の血流が良くなれば、脳に酸素や栄養素が十分に届けられるようになります。そうなれば、「認知症」の予防にもなります。

認知症も、寝たきりの大きな要因です。
認知症を予防することは、寝たきりを予防することにもなります。

プロフィール

中山潤一(なかやま・じゅんいち)

中山クリニック委員長、整形外科医、医学博士

【YouTube登録者10万人突破】 兵庫県明石市で連日患者が向き合う「行列のできる整形外医」。
「1日1万歩は歩きすぎ」という医学的事実に基づき、「1分で終わる、頑張らない運動」を提唱するヘルスケアの専門家。大阪医科大学卒業後、神戸大学整形外科に入局。
基幹病院での過酷な臨床現場や手術経験を経て、「手術以前に、日常のちょっとした習慣で治せる痛みがある」「良かれと思ってやった運動で逆に体を壊している人が多すぎる」と痛感し、兵庫県明石市に中山クリニックを開業。

THE21の詳細情報

関連記事

編集部のおすすめ

50代から「若返る人」と「老ける人」の決定的な違い 整形外科医が教える筋トレ新常識

亀田和利,吉澤恵理

老後最大の敵・フレイルの予防にも? 基礎体力を向上させる筋トレの効果

Testosterone

生活習慣の乱れを正すには? 忙しい40代こそ筋トレを始めるべき理由

Testosterone

40代・50代男性に増えるクモ膜下出血 医師が教える早めに気づくポイント

木原洋美(医療ジャーナリスト)