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チームのもやもやを明確化 フレームワークは「たった3つの質問」

川岸宏司([株]DIL共同創業者)

チームのもやもやを明確化 フレームワークは「たった3つの質問」

「状況が悪い」「雰囲気が微妙」では、仕事は前に進まない。曖昧な状態を具体的な事実に変え、問題解決につなげる言語化術を解説してもらった。

※本稿は、川岸宏司 著『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか 感情を自在に言語化する技術』(大和出版)の内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「感情の言語化」を仕事に取り入れる

ここからは、感情の言語化で鍛えた力を、ビジネスの現場に持ち込みます。

会議で、次のようなよく聞く言葉があります。

「状況が悪い」「雰囲気が微妙」「チームの士気が低い」

わかります。わかるのですが、それ、何も言っていないのと同じですよね。「状況が悪い」は感情で言えば「なんかモヤモヤする」と同じレベルで、状態を伝えているだけでは、誰も動けません。状態には「主語」と「動き」がないからです。

相手目線に立つと明確かと思います。

私も人のことは言えませんが、だからこそ対策を講じました。

状態を次のように動詞に変換するのです。これだけでビジネスの言語化力は一段上がります。

状況が悪い→何が、どう悪くなったのか?
雰囲気が微妙→誰が、何をしたから微妙なのか?
士気が低い→いつから、何がきっかけで低くなったのか?

 

状態→動詞に変換する

フレームワークは驚くほど簡単。自分にたった3つの質問を投げるだけです。

「誰が?」を入れる。
「何をした?/何が起きた?」を入れる。
「いつから?/どのくらい?」を入れる。

主語、動詞、数字。この3点が揃った瞬間に、「状態」は「事実」に変わります。

【変換前】売上が悪い
【変換後】今月の新規問い合わせが先月の半分になっている。SNSの投稿頻度が週5回から週1回に落ちた先月あたりから減り始めた

【変換前】最近チームの雰囲気が微妙
【変換後】先週の朝礼で田中さんと鈴木さんがお客様対応の方針で揉めて以来、2人が直接話さなくなった

【変換前】お客さんの反応が悪い
【変換後】先月の商談10件中、2回目のアポが取れたのは2件だけ。初回の提案時に、相手の課題を聞き切れずにこちらの説明を始めてしまっていた

違いは歴然です。変換後は「じゃあ、次に何をするか」がすぐに議論できます。

変換前は「で、どうする?」と聞いても、また「うーん、厳しいですね」で終わるのが目に見えていますよね。

状態を動詞に変えるとは、イメージ化すると「写真」を「動画」にすることです。止まっていた場面に動きが入ることで、原因と対策が見えてくるからです。

 

複雑な問題を「1枚の地図」にする

動詞に変換して問題が具体的になると、今度は別の壁が立ちはだかります。

それは、「要素が多すぎて、整理できない」ということです。売上低下の原因が5つある。チームの課題が7つある。バラバラの情報が頭の中で渦を巻いて、結局「うーん、もう少し考えます」で終わる。

ほとんどの人は、この「複数の課題が絡み合っている」ケースでめんどくささに負け、答えをそれっぽく表現して満足しますが、これが言語化をサボる第一条件になります。

なので、そうなる前に上の4象限マトリクスを覚えてください。

やり方は簡単。紙の真ん中に十字を引いて、縦軸と横軸にそれぞれ基準を設定する。すると、すべての要素が4つの箱のどこかに収まります。10個のタスクが4つの箱に分かれた瞬間に、「何から手をつけるか」が一目瞭然になります。

4象限は仕事だけのツールではありません。感情の整理にも使えます。

私が気に入っているのは、「抽象×具体」と「感情×論理」の組み合わせ。

会議でいつもデータばかり出す人は「具体×論理」に偏っている。正確だけれど、相手の心が動かない。

逆に、想いばかり語る人は「抽象×感情」に偏っている。熱いけれど、何をすればいいかわからない。

自分の思考が4象限のどこに偏っているかを知るだけで、足りない象限を補う意識が生まれます。

場面に応じて軸を変えるのもコツです。新しい取引先なら「信頼度×利益率」、採用なら「スキル×カルチャーフィット」の軸が使えます。

複雑な問題を前にして「どうしたらいいかわからない」と感じたら、まず十字を書いてください。地図ができれば、進む方向は自然と見えてきます。

感情象限の4象限

プロフィール

川岸宏司(かわぎし・こうじ)

株式会社DIL 共同創業者

読書と言語化が大好きな経営者。学歴なし・月収14万円から1冊の自己啓発書との出会いをきっかけに、本でビジネススキルを学ぶ。現在は、株式会社DILを含む複数の会社を経営し、各種SNS顧問・デザイン・書籍プロデュースの業務を担う。
2020年開始のXでは読書術・言語化術を発信し、5年で10万フォロワーを突破。
著書に『1%読書術』(KADOKAWA)、『耳を鍛えて4倍速読』(ダイヤモンド社)がある。
本書では、かつて読書感想文で20字しか書けず、言語化が苦手だったが、「言葉にして、届ける」を徹底的に磨き、ビジネスとして成功させるまでに至った全技術を綴った。
x:OnebookofMAG
note:https://note.com/onebookof_mag

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