
部下のやる気を引き出すには、「やりたいこと」を聞き出し、取り組ませるのが一番。しかし、部下はなかなかリーダーに本音を言うことはありません。そんなとき、もっとも適したリーダーの振る舞いとは?
※本稿は、五十嵐剛著『任せる勇気』(三笠書房)から一部抜粋・編集したものです。
部下の本音を知るために、リーダーがやるべきことはただ1つ。
「とにかく聞き役に徹する」これだけです。
もちろん、誰かを傷つける発言、コンプライアンスに違反するような発言、また目標そのものを否定するような発言があれば、それは指導する必要があります。
しかし、そうでない限りは、たとえちょっとズレた発言であっても、口出しは控えてください。逆に、いい発言だったとしても、ことさら褒めることはしません。
なぜなら、いいも悪いもリーダーから発せられると、その場での「評価」が確定してしまうからです。もし他のメンバーが別の意見を持っていたとしても、リーダーの評価に忖度してしまうかもしれません。
すると、「メンバーの本心とかけ離れた同調」がその場に生まれ、聞くべき声が聞けなくなってしまいます。
だから、本音を知る場では「評価」を停止させましょう。リーダーは黙って、ただ頷きながら聞くのが一番です。
私の講演会に参加してくださったある企業のリーダーは、チームのメンバーが目標に対する考えを自由に発言できる場を設けたところ、次のような声を聞き出すことができたと言います。
「交渉は得意でも、書類作成は苦手です」
「残業は辞さない覚悟ですが、プロジェクトが終わったら長期休暇が欲しいです」
「新しい分野ではなく、慣れた分野で力を発揮したい」
そして、これらの思いを丁寧にメモしておくことで、そのプロジェクトでは、各メンバーの能力や希望に合った仕事を割り振ることができたそうです。
結果、メンバーのモチベーションは高まり、進行も驚くほどスムーズになったと言います。
具体的に仕事を割り振るときのファーストステップは、メンバー自身の「できること」「やりたいこと」を正しく理解することです。
そのために、日頃の仕事ぶりをチェックするだけでなく、
「目標を達成するために貢献できること」
「目標達成のためにやりたいこと」
を安心して吐き出せる場を作りましょう。
更新:07月24日 00:05