2016年05月30日 公開
2023年05月16日 更新
マッキンゼーの経営コンサルタントとして14年間活躍したのち、ブレークスルーパートナーズを立ち上げ、大手企業の経営改革やベンチャー支援に取り組んでいる赤羽雄二氏。経営改革を成し遂げるうえで、クライアントとの雑談は欠かせないという。いったい、どんな雑談をしているのだろうか?
仕事ができるコンサルタントほど雑談を重要視している、と赤羽氏は言う。
「なぜなら、キーパーソンの本音は、雑談の場で出ることが非常に多いからです。
コンサルタントが提案した経営改革案を、クライアントのキーパーソン全員が無条件に受け入れてくれる、ということはあり得ません。改革に対して消極的な人もいれば、激しく抵抗してボトルネックになる人もいます。経営改革を成功させるには、社長や役員などのキーパーソンたちがどんな考えを持っている人なのか、前もって理解しておき、そのうえで根回しなどの処置をしておくことが必要です。
具体的に言えば、キーパーソンの価値観やトラウマを知っておきたい。ネガティブな反応をする人は、プロジェクトの失敗のような、過去のトラウマに引きずられていることが少なくありません。また、誰も表で言おうとしない、会社の本質的な課題も把握しておきたいですね」
しかし、会議室で話していても、キーパーソンの本音や考え方は出てこないものだ。
「では、いつ出てくるかといえば、雑談をしているときなのです。たとえば、夜の会食中に雑談をしていたら、酒の勢いで、本人の本音や他人の過去の話などがポロッと聞けることがよくあります。また、工場の食堂などで一緒に昼食を摂っているときに、何気ない雑談から本音が出てくることもあります。
ちなみに、私は韓国でも長期間仕事をしていたのですが、韓国や中国のビジネスマンは、会食の場で雑談をしないと、まず本音を言いません。日本よりもそれが顕著です」
更新:11月22日 00:05