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言葉を使わず心をつかむ!「非言語コミュニケーション」の威力

2019年01月21日 公開
2023年03月10日 更新

松橋良紀(コミュニケーション総合研究所代表理事)

「話し下手」なのに「話して楽しい人」がやっていることとは?

 

「話していると楽しい」と思われる人は、話すのがうまいわけではない。相手に気持ちよく話してもらうのが上手なのだ。そして、相手に気持ちよく話してもらうために不可欠なのが、適切な姿勢やしぐさといった、非言語コミュニケーションである。そのノウハウを、NLPに詳しい松橋良紀氏に教えてもらった。

 

よく知らない相手との「共通点」を作る技術

 私たちは誰しも、自分と似た人に親近感を抱く傾向があります。初対面の人でも、出身地や出身校が同じだったり、共通の趣味を持っていることがわかったりするだけで、一気に親近感が湧き、話が弾むことがよくあります。

 ですから、誰かと親しくなり、楽しく会話をしたいのなら、共通点を見つけるのが一番です。

 けれども、共通点はなかなか見つけられないもの。だから、苦労している人が多いわけです。初対面の人にいきなり「趣味はなんですか?」といったプライベートに関する質問はしにくいものですし、聞いたところで、相手が自分と同じ趣味を持っている可能性はほとんどありません。結局、会話が続かず、気まずい空気が流れるだけになります。

 ところが、実は、まだ親しくない相手とでも共通点を簡単に作ることができる、とっておきの方法があります。それが、「ペーシング」です。

 ペーシングとは、姿勢や表情、身ぶり手ぶり、呼吸、話し方、声のテンポやトーンなどを、相手と合わせることです。これを続けるだけで、相手は「この人はなんか自分と似ていて、接しやすいなあ」と感じてくれ、次第に心を開いて話してくれるようになり、会話が弾み始めます。

 こんな話をすると、「ちょっと眉唾ものだな」と思われる方もいるかもしれません。けれどもペーシングは、NLP(神経言語プログラミング)といって、心理カウンセリングなどの場面で実際に用いられているテクニックの一つなのです。

 私たちは、誰かと会話をする際、言語情報だけを受け取っているのではありません。表情や声のトーンから、相手の感情や心の状態を読み取り、親近感を持ったり、逆に嫌悪感や警戒心を抱いたりします。人は、言語情報よりも、むしろ非言語情報のほうから、圧倒的に多くの情報を受け取っているという研究結果も出ています。

 非言語コミュニケーションをあなどってはいけません。

 

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著者紹介

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事

1964年、青森県生まれ。高校卒業後にギタリストを目指して上京するもかなわず、26歳から訪問販売営業を始める。しかし、3年間かかっても結果を出せず、クビ寸前に。救いを求めて通い始めたカウンセラー養成講座でNLP心理学を知り、翌月からトップセールスとなる。営業研修や能力開発の講師を経験後に独立し、コミュニケーション総合研究所を設立。『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術』(ダイヤモンド社)など、著書多数。

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