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コピーライターいらず? AIが3つの切り口でキャッチコピーを量産する

上岡正明(日本脳科学認知心理協会理事)

「AIアウトプットの全技法」

商品名に続き、キャッチコピーを作成する上でも、AIは大いに活用できる。多くの人に響くコピーを、簡単かつ即座に生み出すための最新技法を解説してもらった。

※本稿は、上岡正明著『最短で最大の成果を上げる AIアウトプットの全技法』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

コピーは「切り口」で届く相手が変わる

ネーミングが決まったら、次はキャッチコピーです。

その商品ならではの強み、いわゆるUSP(Unique Selling Proposition)を、言葉で尖らせていく作業になります。

ただし、同じUSPでも、どの角度から光を当てるかで、届く相手はまったく変わります。たとえばエナジードリンク。「リポビタンD」の「ファイト一発」は、踏ん張る力が欲しいビジネスマンや肉体労働者にまっすぐ届きますし、あの崖のCMは11年ぶりに復活したほど、世代を超えて記憶に残っています。

一方、「レッドブル」の「翼を授ける」は、挑戦や冒険を求める若者の心をつかみました。中身は同じ栄養ドリンクなのに、コピーの角度で、まったく別の客層を引き寄せているわけです。

このプロンプトでは、「王道」「エモ」「大穴」の3パターンで一度に回答させます。王道は機能やメリットをストレートに伝えるコピー。

エモは体験や感情に訴えるコピー。大穴はインパクトや意外性で記憶に残すコピーです。3つの切り口が並ぶことで、「どの角度で考えると一番いいか」が見えてきます。

では、キャッチコピーを作るためのプロンプトをご覧ください。

プロンプト

以下の【企画】と【ネーミング】から、USPが伝わるコピーを「王道/エモ/大穴」の3パターンで提案してください。

【企画】
(ここに企画内容を入力)
【ネーミング】
(ここに決定したネーミングを入力)
【出力条件】
各パターンごとに3案ずつ出してください。1案につき、「メインコピー+短い説明文(サブコピー)」を書いてください。

 

やってみよう

前のセクションでできた「ソラクル」(企画は「すごいドローンの新サービス」)を使い、キャッチコピーを作ってみます。「王道」「エモ」「大穴」の3パターンがどう分かれるか、AIの回答をご覧ください。

AIの回答

【王道】(利便性がストレートに伝わる)
案①:最短は、道じゃない。空でした。
渋滞も赤信号も関係なし。ドローンが描く直線ルートが、物流の常識を塗り替える。
案②:買い物は「行く」から「呼ぶ」時代へ。
スマホで呼べば、空からやってくる。移動時間をゼロにする、新しい買い物の形。
案③:その「今すぐ」に、最速のアンサーを。
スマホひとつで、空が動く。オンデマンド配送の、究極の形へ。

【エモ】(体験の特別感に訴える)案①:見上げれば、ほら。ワクワクが降りてくる。
子どもも大人も、みんなが空を待っている。届くのは荷物だけじゃない、驚きと喜びです。
案②:プロペラの音が、幸せの合図。
空を見上げる瞬間、大人も子どもも笑顔になる。届くのは荷物以上のワクワクです。
案③:空とあなたを、直行便でつなぐ。
誰かの「今すぐ」と誰かの「届けたい」を、遮るもののない青空で結びます。

【大穴】(インパクトで記憶に残す)
案①:空が来るから、ソラクルです。
名前そのまんま。わかりやすくて、一度聞いたら忘れられない。それが私たちの自信です。
案②:世界は、もっと見上げたくなる。
下を向いて歩くのはもうやめよう。ソラクルが、都市の視界をアップデートする。
案③:道は、捨てた。
地上の制約をすべて脱ぎ捨て、空を解禁する。物流の、自由宣言。

 

9案を並べて、「どの角度で戦うか」を決める

王道、エモ、大穴。3つのパターンが並ぶと、同じ「ソラクル」でもまったく違う顔が見えてきます。

王道の「最短は、道じゃない。空でした。」は、機能がひと目で伝わります。ドローン配送を初めて知る人にも、何が便利なのかが一発でわかるコピーです。新規の認知を広げたい段階では、こうしたストレートなコピーがもっとも打率が高くなります。

エモの「見上げれば、ほら。ワクワクが降りてくる。」は、機能ではなく体験を売っています。スペックの比較では差がつきにくいとき、「このサービスを使うと、どんな気持ちになるか」で選んでもらうコピーです。ブランドの世界観を作りたいフェーズに向いています。

大穴の「空が来るから、ソラクルです。」は、一見ふざけているようで、実は一番記憶に残る力があるように感じます。

名前とコピーが完全に一体化しているので、一度聞いたら忘れにくくなります。SNSでの拡散や口コミを狙うなら、こうした「思わず人に言いたくなる」コピーが武器になると思います。

どのパターンが正解かは、事業のフェーズやターゲットによって変わります。大切なのは、「自分はどの角度で戦いたいのか」を、コピーを並べながら考えることです。

もしどのパターンもしっくりこなければ、ネーミングのときと同じように、条件を変えてやり直してみてください。「もっと短く」「もっと若い女性向けに」「サブコピーなしで1行だけ」と条件を絞るほど、コピーの精度は上がっていきます。

私の経験では、コピーはネーミング以上に「直感」が判断基準になります。頭で考えて「うまいな」と思うコピーより、パッと見た瞬間に胸に突き刺さるコピーのほうが、お客さんにも刺さることが多いのです。

だからこそ、まずは量を出して、自分の直感が反応する1本を見つけてください。言葉を選ぶ最後の一歩だけは、AIではなくあなた自身の感覚を信じてほしいと思っています。

プロフィール

上岡正明(かみおか・まさあき)

日本脳科学認知心理協会理事

株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役社長。情報経営学科修了(MBA)。多摩大学客員講師。1975年生まれ。放送作家を経て、27歳でマーケティングコンサルティング会社を設立。これまで20年以上にわたり300社以上の企業ブランド構築を手がけ、企業広報・戦略PRの専門家として上場企業からスタートアップまで多数のクライアントを支援。著書は31冊、累計105万部を超える。ビジネス分野で屈指のアウトプット量を誇る起業家・投資家・YouTuberである。

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