――立派な奥様ですね。夫婦円満の秘訣も教えてください。
【寛平】会話が大事やと思います。今年で結婚44年目やけど、僕らは朝起きてしゃべる、寝る前もしゃべる。何でこんなに話題があんねやろ、ぐらいにずーーっとしゃべってます。
嫁が話を全部、笑いに変えてくれることも影響していると思います。先日は、「ちょっとアンタ、今日お隣さんがわざわざ来てくれたんやで」と言うから、「なんて言うてきたん?」と聞きました。そうしたら、「お宅のトユ(雨どい)が、私のところの庭に遊びに来てるよって来よったんよ」と。
よく考えたら、風でトユが飛んできたから、はよ片付けて直しや、という意味やないですか。クレームと捉えず、笑いに変える。ホンマに、ようそれだけ頭回るなと感心するほど素敵な女性ですよ。しかも、常に笑顔でイヤな顔一つ見たことがない。あれは、親やわ。嫁の親が同じ感じやったの。僕は今でも聞きたいことがあると、嫁にすぐ電話したなるんですよ。
――ええっ? 対面トークだけではなく電話までも!?
【寛平】(ケータイを取り出して画面を表示しつつ)これ見て。発着信履歴は、嫁ばっかりやで。嫁も、1日何回もかけてくる。メールの相手も嫁ばっかりやから、自分でもびっくりするで(笑)。
――素晴らしいご夫婦です! 最後にミドル世代の読者に向けて、メッセージを。
【寛平】一番しんどい世代やね。怒られる若手時代はつらいけど振り返ると楽で、上に立つのは違うつらさがある。つらいなぁ。わかるわ。
僕は24歳のとき、右も左もわからないままで新喜劇の座長になったんですが、周りにたくさん助けてもらって何とかなった。その頃から「人生ピンチに陥っても何とかなるやろう精神」で生きてきてます。40代・50代の頃もそう。借金まみれで逃げるか死ぬか迷ったけど、何とかなった。人生、何とかなるもんです。だから、何事も笑顔で楽しくやることが、一番大事なんじゃないですかね。
――お話ありがとうございました。では最後に撮影を。
【寛平】10倍ぐらいイケメンに撮ってね。頼んます~。
〈吉本新喜劇セカンドシアター〉
「もっと舞台に立たせてほしい」。そんな若手座員たちの声に応えるべくスタート。隔週金・土・日曜に開催。既存の新喜劇にとらわれない様々な企画ライブを実施し、若手座員の才能を磨いていく。公演スケジュールは、吉本新喜劇GMのオフィシャルサイトで。
【間寛平】
お笑い芸人・吉本新喜劇GM
1949年生まれ、高知県出身。70年に吉本新喜劇に入団。その4年後には、24歳の若さで吉本新喜劇の座長に昇格。「ア~メ~マ~」「アヘアヘ」「かい~の」などのギャグで人気を博す。89年に東京へ進出し、数多くのバラエティ番組に出演。2008年には、マラソンとヨットで世界一周する「アースマラソン」に挑戦し完走。今年2月、吉本新喜劇史上初のGMに就任。
更新:11月22日 00:05