ここまで、自身の営業コーチングを評価・改善し、定着化させるための3つの方法について紹介してきましたが、第一歩として始めやすいのは部下との1on1です。これは明日からでも実践できます。
他部門のマネージャーや同僚との意見交換は、交渉が必要なことも多いかと思いますので、タイムスパンは3か月後くらいを見据えましょう。
最後のデータの活用は、システムが絡んでくるので、半年から1年程度かかるかもしれません。ただ、システムを導入するのではなく、エクセルで代用することで、すぐに始めることも可能です。
フィードバックのためにログに残す項目は、最低5つ。メンバーの名前、実施日時、所要時間(何分間行ったか)、話したテーマ(商談の確認など大枠で構いません)、そして、次につながるアクションが明確になったかのチェックです。
アクションのチェックは、部下に聞いて確認しましょう。仮にアクションが明確にならなくても、次の1on1で継続を確認するだけでOKです。1回ですべてを解決しようとし頑張りすぎなくても大丈夫。
とはいえ、究極的には、営業マネージャーとしては、1回の1on1で「次のアクションが明確になる」ことを目指していきたい。だから、どうコーチングすればいいのか、上司自身も日々考えていく必要があります。
人とデータの力を借りてフィードバックを得る習慣は、じつは上司自身にとっても意味があります。
マネージャーになる方は、その役割についた途端に、プレイヤーとしての自分の経験が過去のものになっていきます。現場から遠ざかれば、最前線は見えにくくなって当然です。「新しい営業方法やトレンドへの理解が追いつかず、部下指導できない」などと悩む状況もあるでしょう。
顧客の環境も変わり、製品やサービスも新しくなる中で、マネージャーがキャッチアップできず、そこが組織的なボトルネックになるケースもよく耳にします。そんな時は、部下や横のつながりからのフィードバックを定期的に得ることで成長し続けられる環境に自ら身を置く。そんな「学ぶスタンス」が非常に重要です。
また、学びを還元することで、チームとしてもリフレッシュできるはずです。指導するだけでなく、率先して学び成長しようとする姿勢は、これからの上司の新しいスタンダードになるのではないでしょうか。
更新:12月04日 00:05