2018年10月29日 公開
2023年03月14日 更新
では、難しい本はどんな読み方をしたらよいでしょうか。デカルトの『方法序説』を例に解説していきましょう。
まずは、「あとがき」から読んでください。いきなり本文から読み始めてはいけません。
なぜなら、あとがきはその分野の第一人者が書籍の概要や、著者の思想的バックグラウンド、時代背景などをわかりやすく解説しているからです。
あとがきから読むことで、『方法序説』が、400年前にフランス人が書いた近代哲学・自然科学の古典であることがざっくりとわかるでしょう。
続いて、文中で繰り返し使われる言葉をピックアップしながら読んでいきます。著者の言葉をフォローしながら読み進めることで、著者の考え方や思考パターンが次第に掴めてきます。
ここで重要なのは、わからない言葉があっても、すぐに辞書を引かないことです。文脈から著者が使用する言葉のイメージを推測しましょう。
なぜなら、言葉が持つ本来の意味と、文中で使用される意味合いがしばしば異なる場合があるからです。
意味を推し量れない言葉が出てきても、立ち止まらずに読み進めてください。わからない箇所を棚上げして先に読み進めると、何度も同じ言葉が出てくるので、より多くの文脈から意味を推測することができます。
特に、難解な書籍は全体を読んで初めて部分的な理解が進むケースが多いのです。
むしろ、棚上げしないで、わからない部分に拘こう泥でいすることが、読書で挫折する原因になってしまいます。もう少し読み進めればわかるかもしれないのに、非常にもったいないことです。
理解してからでないと先に進んではいけないという強迫観念を捨て去ることが、難しい本を読破する最大のコツなのです。
実は、この方法は英文を読む際にも役立ちます。読み飛ばしてもわかる箇所をつなげて読んでいけば、ぼんやりと全体を理解できるようになるのです。
すべてを理解しようと思わずに、理解できる範囲だけを取り入れれば十分だと考えましょう。こうした「不完全法」を使うだけで読書に挫折しなくなります。
更新:11月25日 00:05