2018年09月07日 公開
精密金属加工メーカー・ダイヤ精機社長の諏訪貴子氏は、先代社長であった父の急逝を機に社長になり、経営難に陥っていた同社で数々の経営改革を断行。軌道に乗るまでは悩むことも多かったと言うが、そのたびに解決のヒントになったり、背中を押してくれたりしたのは本の中の言葉だという。多忙な日々の中で、どのような読み方をし、また本から得た知識をどう活かしているのだろうか。(取材・構成=内埜さくら、写真撮影=若子jet)
専業主婦から精密金属加工メーカー・ダイヤ精機の社長に就任し、同社を急成長させた諏訪貴子氏。社長に就任してからは必要に迫られて本をよく読むというが、実は「もともとあまり読書は好きではなかった」そうだ。諏訪氏の読書術は、まず自分に合った本を選ぶことから始まる。
「社長に就任してからは、そのときどきに生じた悩みや知りたいことの答えを、本に求めて読むようになりました。
例えば、社長業で壁にぶつかったときは、シェイクスピアの『世の中には幸も不幸もない。考え方次第だ』という一節を読み、自分を奮い立たせたことがありました。最近読んでいる本は『超訳 論語 「人生巧者」はみな孔子に学ぶ』(田口佳史著、三笠書房)。経営者としてのあるべき姿を、再度自分の中に入れ込むことが目的です。
この論語の本もそうですが、原典をかみ砕いてわかりやすくしている入門書をよく読みます。もともと本を読むことが苦手だと自覚しているので、その本から何を得たいか、目的を明確にしたうえで完読できそうな本を選ぶようにしています」
他にも、苦手意識を払拭できるような方法で本を選んでいる。
「最初に目次を隅々までチェックして、自分に刺さる言葉があるかどうかを確認します。『この言葉のような行動をしたい』と思うことができ、この本を読めば自分を前向きに動かせると判断したら買います。
本文の文字の配列やレイアウトも選ぶときのポイントにしています。私の場合、文章だけの本よりも、小見出しやリードがわかりやすくつけてあり、レイアウトに強弱がある本のほうが読みやすいと感じるからです」
更新:11月22日 00:05