2018年05月30日 公開
2018年06月04日 更新
数字から物語を引き出す好例を1つ紹介しましょう。アクサ生命が25〜44歳までの働く女性600人を対象に行った調査報告(2010年)なのですが、そこには
結婚相手に求める理想の年収:平均約552.2万円
愛する人に求める年収:約270.5万円
というデータが示してあり、その後に
その差額281.7万円が『愛の価格』といえるかもしれません。
とまとめてあります。
この世で最もプライスレスであると言っても過言ではない愛の価格をこのように決めてしまうことについての反論はもちろんあると思いますが、結婚相手に求める理想の年収と愛する人に求める年収の両方を調べることで、その差額から「愛の価格」は281.7万円であるとする「物語」は、大変興味深いと私は思いました。この物語を知れば読者の皆さんにとっても「552.2」という数字と「270.5」という数字は、無味乾燥な単なる値ではなくなったことでしょう。
数字を読むときも、数字の意味を考えるときも、数字を作るときも、数字が本来持っている物語を紡ぎ出そうとする努力を決して忘れてはいけません。
この点についてはスティーブ・ジョブズ氏も「ただ数字を見るのではなく、覆いの下をのぞいて、アイディアと人間の質を評価するのだ」と言っています。
(出典:『東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた数に強くなる本』)
更新:11月22日 00:05