2018年05月21日 公開
2023年03月16日 更新
その状況に答えを出したのが「ナカモトサトシ」という謎の人物が提唱した「ブロックチェーン」なのです。
ブロックチェーンとは何かを教科書的に表現すれば「取引データの塊を一定期間で生成して、時系列で鎖のようにつなげることによってデータを保管する技術」となります。
そしてその取引を「世界中の人が監視」しているため不正が起こり得ず、「世界中にデータが分散されて置いてある」ため、1カ所がハッカーによって破られても情報が漏洩することがない。だから安全で確実。実際にはより複雑ですが、簡単に言えばそういうことになります。
その仕組みを仮想通貨に応用したのが「ビットコイン」であり、その他、さまざまなネットサービスへの活用が進んでいます。たとえばエストニアではブロックチェーンを活用して国の業務を自動化し、大幅な効率化を実現しています。
これだけだと単に「便利なセキュリティシステム」にすぎないと思われそうですが、私が革命的だと感じているのは、それが社会に与えるインパクトです。世の中のヒエラルキーが崩壊し、「正直者が勝つ社会」が生まれると考えているのです。
ベストセラー『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著、河出書房新社)によれば、現在の人類の祖先であるホモ・サピエンスは、ネアンデルタール人を始めとした他の人類より力も体格も劣っていたそうです。
そんな我々だけが生き残った理由は「噂話」。人の噂話ができるということは、そこにないものを「空想」できるということ。そしてそれを信じられるということです。
だからこそホモ・サピエンスは神様を作り、国家を作り、それを信じることで団結し、強力な力を発揮してきたというのです。今でも人間が噂話好きなのは、週刊誌の人気が証明しているとおりです。
次のページ
「お金の民主化」によりヒエラルキーが崩壊する >
更新:11月22日 00:05