2018年05月21日 公開
2023年03月16日 更新
一方でその「空想」が、我々を縛りつけてきました。身分制度がその最たるもので、生物学的にはまったく違いがないのに、どの家系に生まれたかで人生が大きく変わってしまう。
そんな社会が覆えされたのが、フランス革命を端緒とする「民主主義革命」でしたが、今度は「資本」、つまりお金が人間の価値を決める時代がやってきました。身分社会に比べれば公平だとも言えますが、実際にはさまざまな問題が横たわっています。
そもそも、各国の中央銀行が通貨を管理している以上、権力のバックボーンが身分からお金に移っただけとも言えます。
ビットコインを始めとする仮想通貨は、相互監視に基づいた「胴元のない」通貨です。その意味で「お金の民主化」と言えるのです。
そもそも、100年後の人類が今のお金のシステムを見たら、「ピタゴラスイッチ」のような複雑怪奇な仕組みに感じるかもしれません。たとえば、稼いだお金を海外で使おうとしたら両替が必要で、しかも手数料がかかる。さらに、そのお金を送金するとまた手数料がかかる。それは本当に当たり前のことなのか。
フィリピンという国は、GDPの25%を海外への出稼ぎ労働者が稼いでいるそうです。日々、膨大な量のお金が仕送りされているわけですが、そこで発生している為替両替手数料や振込手数料などはバカになりません。貧しい人々の稼いだなけなしのお金が消えていってしまっているのです。
ブロックチェーンを使った仮想通貨なら、スマホで瞬時に、手数料もほとんどかからずに、安全に現金を送れます。これぞまさに「正直者がバカを見ない」システムではないでしょうか。
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「NEM」流出も……ブロックチェーンへの信頼は変わらず >
更新:11月22日 00:05