THE21 » ライフ » 「家族の悩み」がスーッと消える 5つのヒント

「家族の悩み」がスーッと消える 5つのヒント

2018年05月10日 公開
2023年03月16日 更新

信田さよ子(臨床心理士)

親戚の関係

 

Q 親戚づきあいに疲れてしまいます。

A 受け流す努力をし、それでもダメなら第三者に相談しましょう。

 

 昔、世間やご近所づきあいといえば、親戚関係とほぼ同義でした。狭い世界の中ですべてが完結していたため、親族関係がすごく濃かったのです。だからこそ、世間からつまはじきにされないためには、親族の動向に対して細かに気を配る必要がありました。一部地域では、親族が密につきあう家庭はいまだにあります。しかし、現在では会うのも冠婚葬祭くらいというあっさりした親族づきあいが増えているでしょう。親族が離れて暮らす家庭が増えてきているからです。

 ただ、つきあいが少なくなったとはいえ、問題がなくなったわけではありません。集まったときに感情を逆なでしてくる親戚はいるものです。

 たとえば、「いつになったら子供を産むの?」といった圧力をかけてきたり、家族の子供同士を比較してきたりします。こうした無神経な言動に、内心穏やかではないことも多々あるはずです。

 ただ、それも込みの親戚づきあいだと割り切るしかありません。まずは、そうした会話も受け流す努力をしつつ、3回に1回くらいは集まりを断る口実を作ったり、何かと理由をつけて早めに帰るなど逃げる努力をしてみてはいかがでしょうか。

 それでも親戚づきあいに疲れてしまったときは、親族以外の第三者、たとえば信頼できる友人やカウンセラーなどに相談してみるといいのではないでしょうか。身内のことは、誰にも相談しにくいものです。専門家による相談機関を利用するのが一番いいと思います。

 

『THE21』2018年4月号より

取材・構成 前田はるみ

 

 

著者紹介

信田さよ子(のぶた・さよこ)

臨床心理士

1946年、岐阜県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部哲学科卒業、同大学院修士課程家政学研究科児童学専攻修了。駒木野病院勤務、CIAP原宿相談室勤務を経て95年、原宿カウンセリングセンター設立。親子・夫婦関係、アディクション(嗜癖・しへき)、暴力、ハラスメントなどの問題に関するカウンセリングを行なう。著書に『共依存』『母・娘・祖母が共存するために』(ともに朝日新聞出版)など多数。

THE21 購入

2024年12月

THE21 2024年12月

発売日:2024年11月06日
価格(税込):780円

関連記事

編集部のおすすめ

「アドラー心理学」入門 ストレス社会をサバイブする!

岸見一郎(哲学者)

精神科医による「対人関係の悩み」診断

ゆうきゆう(精神科医/心理研究家)