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40代からの「関節セルフケア」の勧め

2018年02月26日 公開
2023年09月08日 更新

酒井慎太郎(さかいクリニックグループ代表)

筋肉を鍛えるより、関節の柔軟性を

 関節の不調を予防しようと筋肉トレーニングに励む人がいますが、残念ながらあまり意味はありません。私は通勤などで階段の上り下りや徒歩を習慣化している人ならば、ジムに通ってまで鍛える必要はないと考えています。

 というのは、体重を支えるためにはある程度の筋力に加え、「関節の柔らかさ」が重要だからです。たとえば、地面に足を強く踏み込むと、同じ強さで身体に衝撃が返ってきます。その衝撃を柔らげるのが関節の柔軟性なのです。

 大リーグで今も活躍するイチロー選手を見ると、関節の柔軟性の大切さがわかります。バッターボックスに立つ前には常に柔軟体操をたっぷり行なっていますが、だからこそ、野球選手にしては細い身体つきにもかかわらず、40歳を超えてもヒットを量産できるのでしょう。

 関節の柔軟性を維持するためには、正しい姿勢を取り戻し、関節を正しい位置に戻すケアが肝要です。正しい姿勢だと筋肉の緊張が緩み、自ずと関節が正しい位置に収まり、血液や自律神経の流れがよくなります。

 日頃より、関節を気遣った生活を心掛けましょう。

 

『THE21』2017年12月号より

 

取材構成 麻生泰子

著者紹介

酒井慎太郎(さかい・しんたろう)

さかいクリニックグループ代表

1970年生まれ。成蹊大学・呉竹学園卒業。整形外科や腰痛専門病院、プロサッカーチー
ムの臨床スタッフとしての経験を活かし、関節痛やスポーツ障害の疾患を得意とする。
独自で考案した「関節包内矯正」で、約100万人もの関節痛を治してきた実績を持つ。千
葉ロッテマリーンズオフィシャルメディカルアドバイザー。TBSラジオ『大沢悠里のゆうゆうワイド』を始め、多くのメディアに出演。『酒井式 肩こり・腰痛が治る体の動かし方』(総合法令出版)など著書多数。

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発売日:2024年11月06日
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