2016年08月03日 公開
2023年05月16日 更新
40代になると、身体に無理がきかなくなり、さまざまな不調を感じる人が多いだろう。若さでカバーできた20代や30代と同じ生活をしていると、病気にかかるリスクも高くなる。不摂生を続けると、どんな病気の危険性があるのか。そして、病気にならないために普段の生活をどのように見直すべきか、アドバイスをいただいた。
脳梗塞とは、脳の血管を血の塊である血栓が塞ぎ、脳細胞の一部が死んでしまう病気です。血液が脳に届かなくなり、ある日突然バッタリ倒れることも。
脳梗塞の患者数は、この30年で3倍以上に増えています。その背景にあるのは、食生活が豊かになったことによる糖尿病や高脂血症、肥満の増加。その結果、血管にコレステロールや脂肪が溜まり、動脈硬化を起こす人が増えているのです。
突然襲ってくるイメージの強い脳梗塞ですが、実は本人が気づかないだけで、前兆がある場合も多いのです。それを見逃さないよう気をつけることが、脳梗塞のリスクを回避する何よりの方法と言えるでしょう。
チェックリストのうち、とくにリスクが高いのは「左右どちらかの身体や手足がしびれて動かせない」「足がふらつく」「ろれつが回らない」です。これに当てはまる人は、要注意。すでに脳に血栓ができているのに、まだ症状が出ていない「隠れ脳梗塞」の可能性があります。
隠れ脳梗塞は自覚症状がなく、症状が現われてもごく短時間で回復するため、本人も「気のせいだったのか」と放置しがちです。しかし、隠れ脳梗塞ができて数年以内に、約3割の人が脳梗塞を起こしているというデータがあります。本格的な脳梗塞を発症したら、4時間半以内に専門的な治療を受ければ予後が良好になる可能性が高まります。ただ、そうなる前に先ほどの3つの項目に当てはまる人は、一度脳ドック(MRI検査)を受診することを勧めます。
脳梗塞の前兆は、顔にも現われます。鏡の前でにっこり笑ってみてください。片方の唇が下がり、顔がゆがんでいたら、軽い麻痺が起こっている証拠です。顔の表情に左右差があるときは、危険信号と考えてください。
他にも、「ラリルレロ」「パピプペポ」が発音しづらくないか、などが脳梗塞の前兆に気づくきっかけになります。定期的にチェックをして、顔や手、言葉に異変があれば脳梗塞を疑い、病院で診察を受けましょう。
なお、朝と入浴時は脳梗塞を起こしやすいので注意しましょう。就寝中の発汗や長湯による脱水状態によって、血液がドロドロになって血栓ができやすくなるのです。予防のために、就寝時と起床時、入浴の前後に、必ず水分補給する習慣をつけてください。
1.文字が上手く書けなくなるなど、手先が不器用になったと感じる。
2. 手先に力が入りにくいことがある。
3.左右どちらかの身体がしびれて動かせない。震えが止まらない。
4.立ち上がろうとして足がもつれたり、階段を登るときつまずいたりする。
5.突然ろれつが回らなくなる。
6.笑顔になったとき、片方の唇が下がっている。
7.顔の表情に左右差がある。
8.最近、もの忘れがひどくなった。
9.時々、めまいや耳鳴りがする。
10.早口で話をされると理解しにくい。難解な本を読んでも頭に入ってこない。
11.食べ物を飲み込みにくく感じる。むせやすい。
12.視野の半分が欠けてみえることがある。
13.突然冷や汗が出たり、動悸が出たりすることがある。
更新:11月22日 00:05