THE21 » ライフ » 中高年の不調を改善する「60点の生活習慣」

中高年の不調を改善する「60点の生活習慣」

2017年05月25日 公開
2024年06月27日 更新

米井嘉一(同志社大学教授)

健康習慣

40代に突入し、「健康習慣を見直さなくては」と考えてはいるものの、忙しくてそれどころではない...。それに、いまさら大きくライフスタイルを変えるのも億劫だ。

そんなビジネスマンに、無理せずちょっとした習慣を変えるだけで健康な身体が手に入る方法を、アンチエイジングドクターの米井嘉一氏にうかがった。

※本稿は『THE21』2017年5月号「なぜか仕事ができる人の習慣」より一部抜粋・編集したものです。

 

何もしないことが「健康格差」を広げていく

40代に突入し、体力の衰えや心身の不調を感じ始めたビジネスマンは少なくないでしょう。原因は、この年代を境に始まる「老化」にあります。

人は30代まで、心身ともに成長・成熟へと向かいますが、40代を境に、筋肉やホルモン、神経、血管、骨といった生理機能が衰え、病気のリスクが高まります。

さらに、身体の錆びを引き起こす酸化ストレス、風邪を引きやすくさせる免疫ストレスなど、さまざまなストレス要因が老化を加速させます。

しかし、老化のスピードは食事や運動といった生活習慣の改善によって遅らせることができます。だからこそ、老化のターニングポイントである40代で、生活習慣を見直すべきなのです。

この時期に生活習慣を改めた人は今後も若々しく活動できますが、何もしない人はどんどん元気がなくなっていく...。この時期をどう過ごすかで、健康格差はますます広がっていってしまうのです。

とはいえ、ほとんどの人は忙しさにかまけて、生活習慣の見直しを怠りがちです。病気になって初めて、真剣に習慣を見直し始めるというビジネスマンは後を絶ちません。

しかし、くも膜下出血や心筋梗塞などといった突然死を引き起こす可能性がある病気もありますし、心筋梗塞の発症患者の1~2割は、40代であるとも言われています。「病気になってから生活習慣を見直す」では遅いのです。

次のページ
40代の生活習慣は「60点」で良い >

著者紹介

米井嘉一(よねい・よしかず)

同志社大学教授

1958年、東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。『なまけ者でも無理なく続く77の健康習慣』(SB新書)など著書多数。

THE21 購入

2024年12月

THE21 2024年12月

発売日:2024年11月06日
価格(税込):780円