2017年12月28日 公開
2023年01月23日 更新
40歳前後になると出てくる「疲れがなかなか取れない」「若い頃のように働けない」という悩み。この年代、そんな「疲労」の悩みとともに出てくるのが、「胃腸」に関する悩みだろう。第3回のテーマは「食事」。医師であり、コンサルタントとしても活躍する裴英洙氏に、仕事のパフォーマンスを下げない効果的な食事法についてうかがった。
40代ビジネスマンが身体をケアし、かつ仕事のパフォーマンスを落とさずに日々を乗り切る方法を解説する本連載。今回のテーマ「食事」に関しても、40代ならではの変化を踏まえた戦略が必要です。
その変化には、2つの側面があります。
1つは環境面。役職に就き、重責を担うようになる40代は、食事の「自由度」は否応なく下がります。若い頃は「好きなときに、好きなものを、食べたい相手と」食べることが可能でしたが、管理職ともなれば、顧客や取引先との会食の機会も増えてくるでしょう。空腹でなくとも食べなくてはいけない場面もありますし、メニューも相手に合わせなくてはなりません。当然、体調コントロールには注意が必要となります。
ところが、そこに追い打ちをかけるのが第2の側面──内臓の力の低下です。筋肉やお肌同様、40代は内臓の曲がり角でもあります。若い頃に比べると胃や腸の動きが低下して、胃もたれや便秘などの消化器系の悩みを持つ人が増えてきます。
では、この状況を解決する方法とはなんでしょうか。ここで多くの医師や栄養士が説くのは、「毎日決まった時間に規則正しく食事を摂る」「バランスの取れたメニューを心がける」といった、食生活の改善。しかしそれを実行するのは、第1の側面である「環境面」を考えると、働き盛りのビジネスマンには少々難しいでしょう。世の一般的なアドバイスは、得てして働く人の現実に即していないもの。頭では理解していても、実際の日常生活ではできないことが多いのが世の常です。
また、健康的な食生活にこだわりすぎて、「してはいけないこと」を厳密に守りすぎるのも、ある意味問題です。たとえば、揚げ物やファストフードが好きな人が、それらすべてをNGとされ我慢を強いられると、ストレスが蓄積し、我慢できなくなって過食をしたり、ジャンクフードや甘いものを食べすぎて、逆に体調を急激に乱すことにもなりかねません。
そこで私がお勧めしたいのは、ビジネスマンの「環境」と「内臓」の働きを加味した“ほどほどの”食生活。栄養学的には必ずしも「満点」とはいえなくとも、仕事のパフォーマンスを維持し、ストレスも最小限に抑えられます。
更新:11月23日 00:05