2018年01月12日 公開
2023年01月30日 更新
38歳で外資系コンサルティング会社社長に就任、40代ではカルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任した柴田励司氏。柴田氏は、ビジネスマンにとって必要なスキルは大きく分けて3種類あり、40代以上ではそのうち2つを磨くべきだと話す。詳しくうかがった。《取材・構成=塚田有香、写真撮影=吉田朱里》
38歳の若さで、外資系コンサルティング会社の日本法人社長に就任した柴田励司氏。その立場のまま迎えた40代は、自身の働き方や生き方を大きく転換した時期だったと振り返る。
「私は四十歳のとき、過労で倒れました。30代で社長になったため、自分より年上の人や経験が長い人からも認めてもらうには誰よりもたくさん働くしかないと考え、過剰なハードワークを続けたことが原因でした。
幸い後遺症もなく、仕事に復帰することができましたが、この経験から『若い頃のように勢いだけで突っ走っていてはダメだ』と痛感しました」
40代は、周囲の人たちとの向き合い方を変えなくてはいけない時期でもある。
「40歳の頃の私は、社員のほぼ全員からノーを突きつけられるほど、ダメダメな社長でした。『瞬間湯沸かし器』とあだ名がつくくらい怒りっぽく、『とにかく言う通りにしろ』というタイプ。だから、社員もたくさん辞めていきました。そうやって痛い目を見た末に、『自分を見直すべきだ』と悟ったのです。
そして自らを変えるため、まずは二つのことを実践しようと決めました。
一つは、メールに率先して返信しないこと。以前の私は、『To:役員各位』などの同報メールでも誰より早く返信し、自分がすべてを掌握しないと気が済まなかったのです。しかしこれでは、周囲の人たちが『どうせ柴田さんがやるだろう』と考えて、常に上からの指示待ち状態になる。その結果、チームの仕事も停滞すると気づきました。
もう一つは、余計な会議に出ないこと。呼ばれもしない会議にまで乗り込んで行って、場を仕切るのはやめました。
こうして私が『やらないこと』を増やせば、それは周囲の誰かがやることになる。それでいいのです。若手の頃は、自分がパフォーマンスを出すことに集中すればいい。でもリーダーや管理職になれば、『周囲の人をいかに動かし、チームとして成果を出すか』を考えるべきです」
こうして周囲に仕事を任せてみると、様々なメリットがあることに気づいたという。
「重要なプレゼンの提案書も、思い切って部下たちに作成を任せたら、私とは違う芸風のアウトプットが出てきて、しかも私一人で考えるより良いものが出来上がった。部下が自分でやるしかない状況を作ったからこそ、上司の私にはない個性やアイデアを発揮できるようになったのです。仕事を任せれば、必ず人は育つということです。
部下が成長すれば、上司の自分もラクになる。しかも『あの人の下では優秀な人材が育つ』と評判になり、リーダーや管理職としての評価も上がります。上司が仕事を手放せば、自分にもいいことがあるんですよ」
更新:11月22日 00:05