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円安=株高の神話はいつか終わる!?

2017年04月28日 公開
2023年04月06日 更新

小口幸伸(国際金融アナリスト)

為替レートはどのように決まるのか

 為替レートは、2011年にはドル安円高が進んで、1ドル75円台を記録したことがありました。その後はドル高円安に転じ、15年頃は120円台に。そしてここ最近は、110円台を維持しています。

 では、なぜこんなに為替レートは変動が激しいのでしょうか。まずは、順を追って為替や為替レートが何なのかといった説明から始めましょう。

 そもそも為替とは、かつては輸出手形や輸入手形、小切手など、現金を用いずに決済をする方法のことを指していました。現金を用いない国内の決済を内国為替、異なる通貨で行なう国際間の決済のことを外国為替といいます。

 しかし、今では円をドルに替えたり、ドルをユーロに替えたりといったように、ある国の通貨を他国の通貨と交換すること自体を外国為替、ないしは為替と呼ぶようになっています。その際、2つの通貨を交換するときの交換比率のことを、為替レートと呼んでいます。

 通貨の交換は、日本企業がアメリカで商品を売って得たドルを円に交換するといった具合に、実際の商取引(実需取引)をする際に行なわれますが、実需取引を伴わない通貨の交換(投機取引)のほうが、盛んに行なわれています。

 投機取引が行なわれるのは、外国為替市場。主なプレーヤーは、銀行などの金融機関です。彼らが「これからドル高円安になりそうだ」と予測をすれば、円を売ってドル買いに走ります。1ドル100円のときにドルを買い、1ドル101円になったときに円に戻せば、1円儲かるといった具合に、為替差益を狙って、彼らは頻繁に売買を繰り返しているのです。

 では、為替レートはどのようにして決まるのか。それは、商品の価格の決まり方と同じで、需要と供給のバランスで決まります。ある商品について欲しいという人が多ければ、価格がどんどん上がっていくように、ドルが欲しいという人が多ければ、ドルの価値も上がっていきドル高円安になるのです。

 しかし、1ドル100円だった為替レートが、1ドル130円にまでドル高円安が進んでしまうと、「130円も払って一ドルを買うのは高すぎる」と考える人が出てきます。そうした人が増え、誰もドルを買わなくなれば、今度はドルの価値が下がって、ドル安円高が進むようになります。このようにして為替レートは、常に変動しているわけです。

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著者紹介

小口幸伸(おぐち・ゆきのぶ)

国際金融アナリスト

1950 年、群馬県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンクに入行。為替ディーラーとして第一線で活躍した。英ミッドランド銀行為替資金本部長やナショナルウエストミンスター銀行国際金融本部長を経て、2001 年に独立。現在は、国際金融アナリストとして活躍。『入門 外国為替のしくみ』(日本実業出版社)など著書多数。

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