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丸暗記不要! 英会話&英単語学習法

2017年02月20日 公開
2023年04月06日 更新

関正生(「スタディサプリ」人気No.1英語講師)

40代から英単語を覚える7つのポイント

1.英語→日本語の順で覚える

ある言語学者の研究によると「母国語→外国語」ルートの言葉の覚え方は、「外国語→母国語」ルートで覚えるのに比べ、約4倍の労力を要するという。つまり、「日本語→英語」で250語の単語を必死に覚えている間に、「英語→日本語」で覚えれば、1,000語はマスターできるということになる。とにかく早く語彙力を高めて成果につなげたいのならば、「英語→日本語」の順番で覚えるのが正解。つまり「社長→president」というルートではなく、「president→社長」というルートで覚えるべきなのだ。

2.カタすぎる訳語は崩す!

辞書やテキストに記載された英単語やイディオムの訳語は「カタすぎる」ことが多い。このカタすぎる訳語が、記憶の定着や言葉の理解を阻害している。たとえば、「as soonas〜」は、学校では「〜するやいなや」と習うが、日常生活ではこんな日本語は使わない。それよりも、現代語に置き換えて「〜次第すぐに」と覚えよう。すると「I’ll call you assoon as I get home」は「帰り次第すぐに、電話します」となって、たちまち生きた言葉になる。まわりくどい表現の訳語は、言い換えてみると記憶に定着しやすくなる。

3.語句の「パーツ」に注目

効率的に英単語を覚えたいのならば、「語句のパーツ」に着目するのもお勧め。たとえば、頭につくsur-という接頭語は、「上」という意味がある。つまり、surfaceは「sur上+face顔」で「表面」という意味になり、surchargeは「sur上+charge料金」で「追加料金」の意味になる。言葉の成り立ちから入るため、丸暗記しなくても記憶に残りやすくなる。この他にも、dis(- 否定)、sub(- 下)、pre(- 前)など接頭語はいくつもある。この型を知っておけば、初めて出合う言葉でも、なんとなく意味が類推できるようになる。

4.2つに分解して覚える

英語には、2つ以上の語から成り立っている言葉がたくさんある。たとえば、「overlook」(大目に見る/見落とす)は、over(向こう)+look(見る)の組み合わせ。わざと向こうを見れば「大目に見る」となり、うっかり向こうばかり見ていれば「見落とす」ことになる。また、masterpiece(傑作)は、master(巨匠)+piece(1つ)で、「巨匠が作った1つの作品=傑作」という意味になる。このように、長くてとっつきにくそうな単語でも、分解してみると2、3のシンプルな単語から成り立っていることは多々あるのだ。

5.「ingを取るだけ」で覚える

カタカナ英語として定着しているingがついた単語をよく見かける。たとえば、サラダにかけるドレッシングは、dress(飾る)に「-ing」がついた言葉で「サラダを飾る」という意味。また、予約が重なるダブルブッキングという言葉があるが、booking(予約をとる)は、book(帳簿・本)に「-ing」をつけた言葉。bookには、帳簿に書き込むという意味があり、派生して予約するという意味になった。本来の意味がわかれば、dressing the shopwindows(ショーウインドを飾る)、book a room(部屋を予約する)も覚えやすい。

6.派生語は無視して1つだけを覚える

1つの単語につき、複数の意味や反意語・同義語を併記した単語帳は多いが、無視すること。まずは、「これだけは覚える」という最小の分量で学んだほうが、結果として記憶の定着率がいいからだ。たとえば、chargeという動詞は「請求する/突撃する/圧迫する/告発する」など複数の意味がある。初めて出合う単語の意味を全部覚えようとしたら、頭の中で整理しきれず中途半端な記憶になってしまう。「charge=請求する」の意味だけ覚えれば、「記憶の核」ができ、脳に定着する。核につけ足していくほうが容易なのだ。

7.理屈を理解し、感覚的イディオムの意味をつかむ

「stand by」「stand for」など「基本動詞+前置詞」で成り立つイディオムは、前置詞しだいで意味が大きく変わるクセモノ。しかし、「直訳」してみると意外と意味が見えてくる。たとえば、stand by(傍観する/味方する/待機する)。前置詞byの原義は「近くに」という意味なので、「by(近くに)+stand(立つ)」。直訳で意味を押さえれば、意味を感覚的につかめる。前置詞を「記号」として暗記するのではなく、どのような意味を持っているのかを理解すれば、イディオムは丸暗記ナシでマスターできるのだ。

 

取材構成 麻生泰子

『THE21』2017年2月号より

著者紹介

関 正生(せき・まさお)

英語講師・語学書作家

1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。TOEICテスト990点満点取得。予備校デビュー1年目から、講義を担当する校舎すべてで、常に最多の受講者数を記録。現在はリクルート運営のオンライン予備校「受験サプリ」、TOEICテスト対策「資格サプリ」でも講師を務める。『世界一わかりやすい英語の発音の授業』(KADOKAWA )など、英語に関する著書多数。週刊英和新聞『朝日ウィークリー』でコラム連載中。

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