2016年08月01日 公開
2023年05月16日 更新
TOE I Cスコアが高い、英語でコミュニケーションが取れるなどの「英語ができる人」は、どんな勉強をしてきたのだろう? カリスマ講師の安河内哲也氏に、アンケートで上位だった勉強法の解説に加え、お勧めの勉強法をうかがった。
これから英語を習得したいと考える人にとって、「すでに英語を話せる人は、どんな勉強をしてきたのか」は気になるところ。そこで編集部では、TOEIC800点以上、もしくは英検準1級以上のビジネスマン100人にアンケートを実施。その結果、以下のような勉強法が上位に並んだ。
これらの勉強法にはどんなメリットがあり、どのように実践すれば効果的なのだろうか。そこで、カリスマ英語講師の安河内哲也氏に、それぞれの勉強法について解説してもらった。
Q学校を卒業以降、これまでに取り組んだ英語勉強法の中で、効果のあったもの(英語力が伸びたと感じる勉強法)はなんですか?
1 単語を覚える 42.7%
1 英語の映画やドラマを観る 42.7%
3 英語のニュースを聴く 40.8%
4 教材を読み込む・問題集を解く 36.9%
5 教材以外の英語の本や英字新聞・雑誌を読む 32.0%
6 音読 30.1%
7 ネイティブと会話する(外国人の集まる店に行くなど) 29.1%
8 ネイティブと会話する(スクールなど) 26.2%
9 英語の曲を聴く 24.3%
10 文法をやり直す 20.4%
「アンケートで上位に入った勉強法は、リスニングとリーディングを強化するものが多いですね。つまり、TOEIC対策としてこれらの勉強をした可能性が高いと考えられます。でも多くのビジネスマンは、『せっかく英語を勉強するなら、話せるようになりたい』と思っているはず。これから同じ勉強法を始めるなら、スピーキング力のアップにつながるような工夫をしながら実践すべきです」
たとえばアンケート1位の「単語を覚える」。テスト対策の場合は、ひたすら単語を覚えるのもアリだが、実際の会話で話せるようになるためには、言葉を単独で暗記するのではなく、例文を丸ごと暗唱し、何度も口に出して練習することが必要だという。
また、「英語の映画やドラマを観る」「英語のニュースを聴く」といった勉強法はリスニングを鍛えるのに有効で、とくに「ファミリードラマがお勧め」と安河内氏。日常生活で使う言葉や表現が多く出てくるので、使える英語を学ぶうえでは役に立つという。とはいえ、英語の音を聞き流すだけでは効果がない。日本語の対訳を見て、「英語で何を話しているか」を理解しながら聴かないと、当然ながらそれを実際の会話で使うことはできないと言い足す。
「みなさんに理解してもらいたいのは、『なんのために英語を学ぶか』という目的によって、効果的な勉強法は違ってくるということ。会社で、TOEICスコアが評価につながる方や、転職活動の履歴書に書くために必要な方は、まずはTOEICで高得点を出すために、専用の教材や問題集を読み込めばいいでしょう。でもその先に、『仕事で英語を話せるようになりたい』という目的があるなら、テスト対策だけでなく、スピーキング強化を意識して勉強するほうが、実践で使える英語力が身につくのは間違いありません」
そういう意味では、アンケート6位にも入っている「音読」は、やり方次第でTOEIC対策の勉強をしながらスピーキング力を鍛えられるという。
「音読をスピーキングの向上につなげるには、素材選びが重要。要は『自分が仕事や日常生活で実際に使う可能性のある文章』に特化して音読すればいいのです。TOEIC対策の教材には、実際のビジネスシーンに即した会話文や文書例が詰まっています。その中から『これは次のプレゼンで使えそうだ』『クライアントへの対応に役立ちそうだ』などと思った文章だけに限定して何度も音読すれば、仕事の場面でもそのフレーズが口から出てくるようになります。
もっと良いのは、スピーキングとライティングの力を試す『TOEIC S&Wテスト』を目標にすること。『話す・書く』の点数を伸ばすには、必然的に『読む・聞く』も勉強することになります。S&Wテスト対策の勉強をすれば、リスニングとリーディングの力を測る従来のTOEICテストの点数も必ず伸びるはずです」
更新:11月22日 00:05