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丸暗記不要! 英会話&英単語学習法

2017年02月20日 公開
2023年04月06日 更新

関正生(「スタディサプリ」人気No.1英語講師)

最速で結果が出る「ズルい」勉強法とは?

学生時代、必死に覚えた英単語を思い出せず、会話もままならない……。その原因は、「単語や会話文を丸暗記してきたことにある」と語るのは、有名英語講師である関正生氏。しかし、学生時代のおさらいと+αの勉強で、ビジネスシーンで必要な最低限の英語はマスターできるという。今までに学んだ知識をムダにしない勉強法とは?

 

「英語が話せない」のは頭でっかちの思い込み?

 英会話上達への近道、それは、英会話への苦手意識を克服することに尽きます。本来、日常会話程度ならば、中学で習う英語でも通じるはずなのです。

 にもかかわらず、英語が話せない日本人が多いのは、学校教育の中で「話す練習」が圧倒的に足りなかったからです。

 それに、学校では「こんなときはこう返す」と英会話を機械的に丸暗記しがちです。こんなふうに頭でっかちになってしまっては、英語で会話などできません。

 そこで、会話嫌いの呪いを解く、3つのマインドセットをお教えしましょう。

 まず、会話ですべての英語を聞き取れる必要などありません。それよりも大切なのは「状況把握力」です。

 たとえば、飛行機で客室乗務員が飲み物を載せたカートを押しながら「Would you drink……?」と早口で話しかけてきたとき。全部聞き取れなくても、状況と断片的に聞き取れた言葉で、何を聞かれているかは理解できるはず。ビジネスシーンも同様です。たとえ言葉の前後がわからなかったとしても、基本的な用語さえ聞き取ることができれば、状況や相手の表情から、かなり理解できるものだからです。

 次に大切なのは、「異文化理解」。会話はまず直訳すべきなのですが、それでも理解できないとしたら、英語圏独特の文化が背景にある場合があります。

 たとえば「draw up」という言葉。直訳では「上に引く」ですが、英語では「止まる」という表現になります。これは、馬車を止める際、手綱を上に引く動作から来ているのです。日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、もし、直訳で理解できなくても、文化的背景を知っていれば、推測することが可能なのです。

 そして最後にモノを言うのは「メンタルの強さ」です。私がよく行くシンガポールでは英語が公用語の1つなのですが、「シングリッシュ」と揶揄されるほど訛りの強い英語が話されており、政府が対策に乗り出しているほど。

 しかし、当の現地人は「俺の英語がわからないのか」と言わんばかりに、シングリッシュを押し出してきます。このメンタルの強さ、日本人も大いに見習いたいところです。ネイティブではない以上、完璧に話せないのは当たり前。日本人だけが、英語をうまく話せないわけではないのです。

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著者紹介

関 正生(せき・まさお)

英語講師・語学書作家

1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。TOEICテスト990点満点取得。予備校デビュー1年目から、講義を担当する校舎すべてで、常に最多の受講者数を記録。現在はリクルート運営のオンライン予備校「受験サプリ」、TOEICテスト対策「資格サプリ」でも講師を務める。『世界一わかりやすい英語の発音の授業』(KADOKAWA )など、英語に関する著書多数。週刊英和新聞『朝日ウィークリー』でコラム連載中。

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