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「頑張っているのに成果が出ない!」を防ぐには?

2016年09月14日 公開
2016年11月14日 更新

鈴木進介(経営コンサルタント)

私が「英会話」の習得を捨てた理由

キャリアの方向性を見極める上で、大切なのはその仕分け基準にあります。その努力は「今必要か/不要か」「メリットは/デメリットは」などです。

たとえば私は、現時点ではネイティブ並みの英会話能力の習得は捨てています。一般論としては今の時代、英会話はネイティブ並みに話せたほうがいいとなりますが、私はその選択をしませんでした。やみくもに、とりあえずで習得しても身につかないばかりか、私にとっての優先順位が今は低いからです。

それよりも目の前のコンサルタントやコーチングのスキルを高めて第一人者になることが大事で、その過程では英会話能力の習得は必ずしも必須ではありません。ネイティブ並みの会話力を身につけるまでの時間を考えると、通訳を使ったほうがメリットがあります。だから、現時点で私にとって英会話の学習は“悪い努力”となるのです。

 

人間関係のストレスは「仕分け」で消す

人間が抱えるストレスの過半は人間関係で占められているといわれています。あなたは今、人間関係で問題を抱えていないでしょうか。人間関係とは、誰と仲が良くて誰と仲が悪いかという話に留まらず、仕事で成果を出す上での足かせになるリスクもあるので、注意が必要です。根回しや取引先との関係など、人間関係を上手に築けないと成果が上がらないばかりか、あなた自身をストレスで苦しめてしまいます。

今あなたに、チームで新商品の発表会を運営する任務が与えられたとしましょう。リーダーになったあなたは、こんな問題に直面します。「なぜあの人は私の言ったことを理解してくれないのだろうか」「なぜあの人は指示通りに動いてくれないのだろうか」と。自分が思ったほど他人は話を理解していないし、ましてや動いてもくれないものです。そこで怒ったり、イライラした強い口調で相手を動かしても決して効果は出ないことでしょう。これは、無駄な努力と言わざるを得ません。

だからこそ、まずは仕分けを行なうのです。ここでは「今、変えることができるもの/変えることができないもの」に仕分けします。先の例のように、他人の心や行動を変えることはできません。しかし、自分の行動や心の持ち方は変えることは、創意工夫によっていつでもできます。

仮新商品発表会のイベント会場の予約について、イメージだけ伝えて他人に任せてみたものの、何も動いていなかったとしましょう。もちろん、動いていないことに対する指導はすべきですが、それだけでは前進しません。また、言い方によっては険悪な空気がチーム内に蔓延してしまいます。

そこで、あなたができる努力の方向性とは、まず自分の伝え方や仕事の任せ方を変えてみることです。イメージではなく会場の具体的なスペックを箇条書きにしてメモに渡す、担当を会場手配に詳しい他の人間に任せる、3パターンほど候補を提示して、詳細部分だけ調べさせるなど、あなたの創意工夫によって解決できる策はいくらでもあります。成果を上げる上で大切なことは、他人をとがめることではなく、成果を出すためにあなた自身が変えることができる点に集中することです。

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著者紹介

鈴木進介(すずき・しんすけ)

経営コンサルタント、(株)コンパス代表

“思考の整理家”という肩書を持つ経営コンサルタントで株式会社コンパス代表取締役。 1974年生まれ、大阪出身。25歳で起業後、「金無し、ノウハウ無し、人脈無し、経歴なし」の中、鳴かず飛ばずの状態が続くも、その後、「思考を整理すれば、問題の9割が解決している」ことに気づく。以来、思考の整理術に開眼し、10年以上にわたり研究を独自に重ねて体系化。難しい問題をやさしく解きほぐす「セパレート思考」を講演などで伝授し、累計で1万人が受講した他、支援先は100社以上になる。著書に『1分で頭の中を片づける技術』(あさ出版)や『問題解決のためのセパレート思考』(フォレスト出版)などがある。

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