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「頑張っているのに成果が出ない!」を防ぐには?

2016年09月14日 公開
2016年11月14日 更新

鈴木進介(経営コンサルタント)

成果は努力の量ではなく「質」で決まる

努力をしているはずなのに、なぜか成果が出ない……そんな人はひょっとすると、「努力の方向性」が間違っているのでは。「思考の整理家」の異名を持ち、多くのビジネスマンを指導してきた経営コンサルタントの鈴木進介氏に、「成功者が実践している正しい努力」について教えてもらった。

 

「ゴルフ上達のためにライザップ」は正しいか?

自分は頑張っているのに、なぜ目標に対していつも未達成に終わるのだろうか。あなたは、こんな想いを持ったことがありませんか。

物事は量だけではなく、質の向上が大切である。これは頭ではわかっていても、目標達成に向けて集中しているとつい忘れてしまうことです。努力の量をこなしていると、目に見える形で「頑張った」度合いがわかり、気持ちも高揚するため、「もっともっと」とひたすら量に邁進していってしまうのです。これでは、ふと気がつけば、仕事の終了まで膨大な時間がかかったわりには成果が生まれていなかった、という状態に陥ってしまいます。

それでは質の向上を追求しようと、時間効率を高めれば成果が上がるのかというと、そうとも言いきれない場合があります。なぜならば、成果を上げるための「質」の向上とは、「時間効率」だけの問題ではないからです。大前提として「努力の方向性」が誤っていない必要があります。

ゴルフが好きでシングルスコアを目指しているのに、ライザップに通って腹筋が割れたところでゴルフのスコアは上がりません。一定レベルの筋力は必要だとしても、本来あるべき「努力の方向性」は、たとえばフォームの改善をするなどです。それならば、ゴルフのレッスンプロについて練習したほうが、短期間で成果が上がるでしょう。

このように「すべき努力」と「すべきではない努力」を整理して、「努力の方向性」を決めることは、成果を上げる上では最優先されなければいけません。

 

何をすべきかを「分解」し、ふるいにかける

ところが、「何を優先して努力すべきなのかの見極めが難しい」と嘆く人が多いことも実態としてあります。では、どのように見極めれば良いのでしょうか。それには、まず大雑把でもいいので、「すべき努力」と「すべきではない努力」を“仕分け”することです。

優先順位の見極めに頭を悩ます人は、物事の仕分けもせずに、物事を大きく捉え過ぎてしまう傾向にあります。たとえば、「利益率の向上」という目標に対して、とにかく顧客の営業の訪問頻度を増やそう、広告の量を増やそうと、考えられること全てを漠然とこなしてしまうのです。しかし、「利益率の向上」と大きく捉えていては、どの策を取るのが一番成果が上がるのか、ピンポイントで見えてきません。そこで、小さく仕分けしながら努力すべき方向性を見極めていくのです。

利益率の向上であれば、まず「売上の最大化」と「コストの最少化」の2要素に仕分ける必要があります。そこでたとえば、売上の最大化を「1 新規顧客の増加」と「2 リピート率の向上」「3 顧客の購買点数の増加」に仕分けできるとしましょう。一方、「コストの最少化」は、「4 仕入価格の削減」「5 事務所家賃の削減」だとします。

このうち、「2 リピート率の向上」以外は全て手を打っており、すでに実績が出ているか、逆に効果がないと判断していたとすれば、努力すべき方向性は「2 リピート率の向上」のみとなります。やみくもに、更なる「新規顧客の増加」や「仕入価格の削減」を頑張っても、すぐに限界がくるでしょう。

つまり、努力の方向性の見極めとは、取り組むべき項目を「仕分け」によってふるいにかけることをいいます。漠然と頑張っていても、ムダな努力に終わってしまうリスクがあるのです。

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著者紹介

鈴木進介(すずき・しんすけ)

経営コンサルタント、(株)コンパス代表

“思考の整理家”という肩書を持つ経営コンサルタントで株式会社コンパス代表取締役。 1974年生まれ、大阪出身。25歳で起業後、「金無し、ノウハウ無し、人脈無し、経歴なし」の中、鳴かず飛ばずの状態が続くも、その後、「思考を整理すれば、問題の9割が解決している」ことに気づく。以来、思考の整理術に開眼し、10年以上にわたり研究を独自に重ねて体系化。難しい問題をやさしく解きほぐす「セパレート思考」を講演などで伝授し、累計で1万人が受講した他、支援先は100社以上になる。著書に『1分で頭の中を片づける技術』(あさ出版)や『問題解決のためのセパレート思考』(フォレスト出版)などがある。

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