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「頑張っているのに成果が出ない!」を防ぐには?

2016年09月14日 公開
2016年11月14日 更新

鈴木進介(経営コンサルタント)

一流は3つの分野で“良い努力”をする

努力の方向性を決める「仕分け」は、日々のtodoリスト以外にも様々な分野で活用できます。

一流と呼ばれるほどの成果を上げている人は、主に3つの分野で「仕分け」をすることが、成果を上げる上でレバレッジ(テコの原理が働き最小の努力で最大の効果が働く)につながると捉えている人が多いようです。それは「1.キャリア」「2.人間関係」「3.お金」の3分野です。要するに、「人生の中で最も多く時間を割く仕事面での方向性を明確にし、いかに他人と良好な人間関係を築きながら、将来リターンが見込める分野にお金を投じていくか」。これが人生という単位で“成果”を上げるための公式であるかのように、一流の人ほど努力の方向性への感度を高めています。

筆者は努力の方向性を見極めるための「思考の整理術」をテーマに、過去1万人以上のセミナー受講生や企業研修の受講生を見てきましたが、例外はなく、みな同じでした。

 

「あれもこれも、そこそこ」では一流になれない

では、まず「キャリア」における努力の方向性についてみていきましょう。

あなたは自分のキャリアを切り拓くために、どんな努力をしていますか。多くの人は“とりあえず”という感覚で、スキルアップやインプットをしています。しかし、色々と見識を高めたところで、どれもが中途半端に終わってしまうことでしょう。これだけ変化が激しい時代に「あれもこれも」と満遍なくスキルアップしようとしても、全てにおいて一流になるのは不可能だからです。“そこそこ”できる人にはなりますが、結局、何が強みで何が武器なのかわからない人になります。

また、全てに手を出す“とりあえず”でのスキルアップでは、時間がどうしても足りなくなります。「1万時間の法則」という言葉はご存知でしょうか。マルコム・グラッドウェル氏の著書『天才!成功する人々の法則』の中で紹介されている、成功者はその分野に最低1万時間を費やしてきたという説です。何かの習得に毎日、仮に1日9時間を費やすとしても、1万時間に達するには3年が必要となります。

私たちがキャリアを開拓する武器の習得にかけられる時間は限られていますので、“あれもこれも”と手を出さず、“あれかこれか”の仕分けで、努力すべき方向性を絞り込んでいかなければなりません。日本ハムファイターズの大谷翔平選手のようなホームランバッター兼エースピッチャーというのは、レアケースとして参考にしないほうが良いでしょう。

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著者紹介

鈴木進介(すずき・しんすけ)

経営コンサルタント、(株)コンパス代表

“思考の整理家”という肩書を持つ経営コンサルタントで株式会社コンパス代表取締役。 1974年生まれ、大阪出身。25歳で起業後、「金無し、ノウハウ無し、人脈無し、経歴なし」の中、鳴かず飛ばずの状態が続くも、その後、「思考を整理すれば、問題の9割が解決している」ことに気づく。以来、思考の整理術に開眼し、10年以上にわたり研究を独自に重ねて体系化。難しい問題をやさしく解きほぐす「セパレート思考」を講演などで伝授し、累計で1万人が受講した他、支援先は100社以上になる。著書に『1分で頭の中を片づける技術』(あさ出版)や『問題解決のためのセパレート思考』(フォレスト出版)などがある。

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