2016年08月17日 公開
2023年05月16日 更新
近年、男性コスメが多く発売されている。若い世代の男性に、スキンケアが広まってきているのもその理由の1つだが、実は35歳を過ぎた男性にこそ、スキンケアは必要だという。仕事の出来も左右しかねない、スキンケアの秘密とは。男性美容研究家の藤村岳氏に、その理由とスキンケアの正しいやり方をうかがった。
毛穴が開いて脂でテカテカしたオヤジ肌――男だから仕方がないと開き直っていませんか?
コンディションの悪い肌のままでは「デキない男」の烙印を押されても仕方がありません。顔が脂っぽくテカっていたり、加齢臭などのニオイがするのは健康管理ができていない証拠。つまり、「セルフマネジメントができない人」というマイナスの印象を与えてしまうのです。自分のことすら管理できない人に、部下への気配りや取引先への細心の配慮ができるか、はなはだ疑問です。
そうした“自覚のなさ”が目に見えて露呈してしまうのが35歳以降の男性の肌。男の甲斐性は、肌にハッキリと表われるのです。
では、健康な肌をキープするには何をすればいいのでしょうか。それは「スキンケア」です。朝晩、正しいやり方で顔を洗い、保湿をすれば、毛穴は引き締まり、皮脂の過剰分泌も収まって、サラッとした素肌を維持できるはず。
一般的に男性は、女性より皮膚が厚く、コラーゲンなどの含有量も高いので、若いうちはケアを怠っていても、ある程度の若々しさを保てます。それが当たり前だと思い込んだまま30、40代に突入してしまうと、ある日、鏡の中にギトギトで毛穴の開き切った“オヤジ肌”になっている自分を発見して愕然とします。あわてて洗浄力の強い洗顔料でゴシゴシ洗いますが、あっという間に肌はテカり、脂っぽさは増すばかり。実はコレ、“脂性肌の悪循環”に陥っているのです。
そのメカニズムを知るために、まず加齢による肌の変化を見てみましょう。若い頃の肌と決定的に違うのは「水分量」です。年齢を重ねるごとに、肌内部の水分量は減っていきますが、皮脂量はあまり変わりません。水分量に比して皮脂量が多くなるので、肌は必然的にベタつきやすくなります。若い頃は汗をかいても肌はサラッとしていたのに、年齢を重ねると、ベタッとしてくるのは、老化による「水分の減少」も一因なのです。
そこで多くの方は、ベタつきが気になるので強い洗顔料で念入りに洗い、皮脂を根こそぎ取り去って、そのまま放置してしまいます。実はこの皮脂、肌にとっては優秀なガードマン。細菌やウイルスの侵入を防ぎ、体内の水分が蒸発するのを防いでくれているのです。
大切な皮脂がごっそり洗い流されてしまったことで、身体は皮脂をどんどん分泌します。こうして、洗えば洗うほど脂っぽくなる、“脂性肌の悪循環”は作られるのです。
更新:11月23日 00:05