2016年06月24日 公開
2023年07月03日 更新
神田 上を目指してあくせくした生活を送るのではなく、地元に住み続けて、小学・中学時代から知っている仲間たちや家族との時間を大切にし、地元に骨を埋めようという人たちを、「マイルドヤンキー」と呼ぶことがあります。
UTさんに入られた方の多くは、もともとこういうタイプの方が多かったのではないでしょうか。彼らは仕事を「生活するための手段」と割り切る傾向がありますが、UTさんでは、そうした方々がやる気を出して、高い学習意欲を持って仕事に取り組んでいる。それはいったいなぜなのでしょうか。
若山 いくつかの要素が重なっているかと思いますが、「自分の未来が描ける仕組み」を用意しているのが大きいのではないかと思います。学歴に関係なく執行役員に昇進できる道が開かれていたり、「One UTプロジェクト」という、他の仕事の基礎を学んでキャリアチェンジができるシステムがあったりというのは、他の派遣会社にはあまりない特徴ですからね。
神田 しかも、それが手の届かない目標ではない。リアリティのある将来を見せてあげれば、自然とモチベーションは上がるというわけですね。
若山 それにも増して大きいのは、「学習する楽しさを知った」ことではないかと思います。学校の勉強が嫌いで、勉強しないで育った人は、学習の楽しさを知りません。でも、仕事の場で丁寧に教えてもらって学ぶことで、できることが増えたり、小さな成功体験を得られると、学ぶことが楽しくなってきます。
また、弊社で特徴的なことの一つに「チーム派遣」があります。これは企業にマネージャーを含めチーム単位で派遣を行なうというものですが、社員にとって大きなメリットがあるのです。派遣の仕事ではなかなか身につける機会がない、チームで働く能力やマネージャーとして人を動かす能力を磨くことができるからです。これもまた、新たなキャリアにつながります。
神田 マネージャーさんたちが講義を受ける姿を見て、私は、中国の大学で講義をしたときのことを思い出しました。講義や授業の際、日本人の学生は後ろのほうから座っていくのに対して、中国人の学生は教室にいち早く来て、前に座るんです。UTさんの社員も同じでした。
若山 それは心強いですね。
神田 ただ、中国人の生徒たちは、決して上昇志向だけで動いているのではない。自分の家庭のことも、とても大事にしている。この光景を見て、思ったのです。マイルドヤンキーが上昇志向に目覚めると、地元と家族を大切にしながらも、会社での自分の役割を考え、責任を持って仕事に取り組むようになる。これは人間として理想的な形だと思うのです。
若山 確かに、弊社に入ってくる20代くらいの社員にはとくに、こうした「地元志向」の人が多いように感じます。ただ地方だと、仕事の数に限りがあり、その人が持っているスキルに合う仕事がなかなか見つからない。
だからUTでは、一つだけでなく複数の技能を身につけたり、マネージャーとしての能力を磨くことでキャリアの幅を広げる機会を設けているのです。そうすれば、地元で働き続けることができるチャンスがぐっと広がるというわけです。
更新:11月23日 00:05