
独立の失敗、セブンイレブンへの転職、そして東進、
ーー大手アパレルを経て、コンビニ大手のセブンイレブンからキャリアをスタートされた石井さん。その入社の経緯を伺ってもよろしいでしょうか?
【石井】セブンイレブンの前は、新卒でアパレル業界に入りました。当時はまだバブルの終焉期でしたね。世の中がものすごく賑やかで、経済活動も活発で...といった時代です。
私もそんな空気に当てられて、「人の下で働くのではなく、独立してビジネスを立ち上げたい」と思い、20代の中盤で一度独立にチャレンジしました。
ところがこれが絵に描いたような大失敗で。明日食べるお金もなくて困り果てているときにもう一度自分自身を鍛え直そうと考え、当時破竹の勢いで成長していたコンビニ業界に飛び込むことにしたのです。
ーー当時は今のように、転職や中途採用の門戸が広く開かれていたわけではなかったと思います。ご自身で探したとおっしゃいましたが、大変ではなかったですか?
【石井】日本経済新聞の募集欄にたまたまセブンイレブンの求人が掲載されていたのが幸運でした。
当時いろんな媒体でセブンイレブンのことが取り上げられていたのですが、私には躍進の秘密がわからなかったんです。なので、それならば自分が飛び込んでやろうと決心したことを覚えています。
ーー実際にセブンイレブンに中途入社をされて、成長の秘訣に確信を得られましたか?
【石井】セブンイレブンの何より大きな特徴が、お客様第一の姿勢です。あらゆる経営判断において「お客様がどう思うか」を基準としているところが強みだったのだと、当時を振り返り改めて思います。
ーーそのお客様目線でのジャッジというのは、やはり他の企業だとなかなか実践できていないことなのでしょうか。
【石井】経営判断の基準をお客様に徹底してフォーカスするという思い切った判断はセブンイレブンならではでしょう。
ただ、そうしていない企業が悪いということではなく、他の企業は他の企業で、別の判断基準を持っています。
各企業、それぞれに風土や文化があって、みな、それぞれに素晴らしさを持っているんですね。私がセブンイレブンの後に在籍した東進やローソンも同様です。
ーーその後、別業界の東進に転職されました。この時点では、コンビニ業界で学べることはもう学んだというご認識だったんでしょうか。
【石井】そういった慢心はありませんでした。ただ、自分なりに約15年間セブンイレブンで仕事をさせていただいて、やりきったという感覚があったのは事実だったかもしれません。
ーー当時のお気持ちとしては、「そろそろ新しいことに挑戦したい」といった心持ちだったのでしょうか?
【石井】いえ、実はセブンを辞める気は全くなくて。そんな中でもお声がけいただいた東進の社長に凄い熱意で勧誘していただいたんです。
ーー社長さんの勧誘の、どこが決め手になりましたか?
【石井】「この日本を一緒に変えよう」というお言葉です。その言葉から、圧倒的なリーダーシップを感じたことを覚えています。
ーーその後、東進を経てローソンへ転職されます。この経験も、現在の考え方につながっているのでしょうか。この経緯などについてもお聞かせください。
【石井】知人を通じて、ローソンの重役の方にお会いしたのが始まりです。
初対面時、私はまさか転職の話になるとは思っていなかったのですが、先方は私について「元セブンですごい面白い奴がいるよ」と聞かされていたようで。
ありがたいことに人材として興味を持っていただいていました。「一緒に日本の小売業界を良くしていこう!」と熱い言葉をかけていただいたことを強く記憶しています。
ーーローソンに転職をされるときの最終的な決め手はどのような点だったのでしょうか。
【石井】お話が進んでいくなかで、ハッキリと覚えている言葉があります。
「石井さん、これから先のビジネスキャリアを決定づけるのが、きっとこの瞬間ですよ」と。
このときの私はお誘いに魅力を感じてはいたのですが、もともとセブンイレブンの人間ということで、競合他社に移籍することへの引け目を感じ、決断しきれずにいました。そんな私に対して、残りの人生がここで決まるよ、と背中を押していただいたんだと思います。
更新:08月17日 00:05