ここで、コミュニティを探す際の大事な条件2つをお伝えします。
1つ目は、安心・安全の場が確保されているということです。Googleが発表し注目され始めた「心理的安全性(psychologicalsafety)」「チームメンバーに非難される不安を感じることなく、安心して自身の意見を伝えることができる状態」とも似ていますが、キャリアカウンセリングで言う安心・安全な場は以下のような場です。
・個人情報が守られる
・自分の意見を受け止めてもらえる
・批判される心配がない
このような場が整っていると、自己開示ができて素の自分が出せます。自分の意見を皆に受け止めてもらえるから安心して話すことができて、自己否定がなくなりアイディアが湧き出てきます。そして、挑戦意欲もどんどん出てくるのです。
2つ目は、目的を意識するということです。何のためにコミュニティに参加するのかを考えてみましょう。読書が好きで作品などを分かち合いたいのなら読書サークルに入り、バスケットがしたいならバスケットサークル。では、ライフキャリア開拓がしたいなら?ということです。
「自分の年代より上の人に話が聴きたいから」とゲートボールサークルに入ったとして、もしかしたら有益な情報をくれる方がいるかもしれませんが、実際は確率的に低いでしょう。
それならば、ライフキャリア開拓をするコミュニティにダイレクトに飛び込んだほうが良いのではないでしょうか。そうすると、同じ悩みや目標を持った方々と知り合うことができ、自分が知りたい情報も自然と入ってくることとなるでしょう。だから、時間を無駄にしないためにも、目的に沿ったコミュニティを探すことが大事になります。
もし、「講師として活躍したい」「カフェを開きたい」といった明確な目標がある場合は、コミュニティ以外にも講座(単発ではなく複数回あるもの)を受講するという手段もあります。そういう場で得た仲間からの情報はそれに特化していて、インターネットには載っていないようなものや、思いも寄らない耳寄りなものがあると思います。
まずはインターネットで検索するなどしてコミュニティに参加し、また、そこに参加されている方とコミュニケーションを取り、組織外での人脈作りや交流を図ると良いでしょう。こういった場の交流でご自身にとって向いているもの、向いていないもの、やるべきこと、やらなくて良いことなどがさらに明確になってくると思います。
コミュニティは合う合わないがあるので、いくつか入ってみて「なんか違うな」と思ったら抜ける、ということで良いと思います。合わないコミュニティにいてもストレスが溜まり、ライフキャリアに関する自由な発想も出てこなくなってしまうので、抜ける勇気が必要です。ここでもあくまで「プロティアン」に、最初の目標設定に縛られすぎず見直しをするということが大事です。
また、「定年後」に関係する本には「地域コミュニティへの参加が必要」と書いてあるものもありますが、それほどこだわらなくても良いと思います。コロナ後は特に、オンラインで十分なコミュニケーションが取れることが分かってきました。オンラインコミュニティでご自身の興味に近いことを探したほうが効率的です。
また、地域には合わない人もいて、これからずっとそこに住む場合、ややこしい人間関係は避けておきたいところです。ちょっと覗いてみて、合わなければすみやかに去る勇気も必要です。
更新:11月22日 00:05