自分がやりたいことや、何となく興味がある、気になっていることなどを周りの人に伝えます。そうすると、「それなら、こんな人を知ってるよ」「こんな場があるよ」など意外な情報を教えてもらえるかもしれません。
気をつけなければいけないのは「ドリームキラー」の存在です。「定年後にいまさらそんなことして何になるの?」「定年後はのんびりするのが一番。セカセカしてどうする」などと言い、人の夢を壊す人のことです。
そんなことを言われてしまうと「そうなのかな?」と不安に思ってしまうかもしれませんが、そこはサラリーマンとしての「スルースキル」を発揮していただき、「心配してくれてどうもね!」とひと言伝えて彼らをスルーしましょう。
せっかく定年後に生きがい、心理的成功を追いかけようとしているのに、ドリームキラーのひと言でやる気をなくしてはもったいないです。誰の人生、誰のライフキャリアなのかということを分かっているか試されたんだ、と思うようにしましょう。
ここまで発信の大切さをお伝えしてきましたが、これも組織内キャリアだけなら必要性を感じなかったと思います。組織の中なら発信を積極的にしなくても○○部の○○さんということはある程度知られていて、仕事も勝手に向こうからやってくるものだからです。
しかし定年後は、発信をしないと仕事は来ません。どんなに実績があっても、どんなすばらしいことをやっていても、伝えなければ、そもそも自分という存在は誰にも知られることがないままになってしまうのです。
行動の2つ目はコミュニティへの参加です。「いや、ムリ」と思った方はいませんか?はい、それはかつての私です。コミュニティという言葉に違和感、嫌悪感を持っていました。
人脈やネットワークも同様です。起業する前に、「起業本」を何冊か読んだのですが、必ず「人脈」「ネットワーク」が重要だと書かれています。私は「いや、そんなことはない。それだけは何か別の方法で補おう」と思っていました。
しかし、別の方法では補えないことに気づきました。一人でできることには限りがあり、一人で考えるアイディアにも限界があるからです。
さらに、プロティアンで大事なアイデンティティやアダプタビリティを高めるためには、人と接することでしか自分の価値や社会での需要などが分からないからです。だから、起業してもしなくてもコミュニティへの参加は必須です。
では、なぜコミュニティなのか。異業種交流会やセミナーではダメなのか。これは関係が一時的なものなのか継続的なものなのかの違いです。
異業種交流会で名刺交換をしただけでは、なかなか信頼関係が生まれづらかったりします(特に、私のように用心深い人間は)。継続的に会う関係性になることで、お互いをよく知ることができて信頼が生まれ自己開示がしやすいからです。
この自己開示が大切で、ライフキャリア開拓では本当の自分をありのままに見つめることが重要になってくるので、偽った自分しか出せない関係性では偽りの過去、偽りの未来に向かって走りだしてしまう恐れがあるからです。せっかく定年後は自分だけの心理的成功を求めようと思っていたのに、それができなくなってしまいます。
また、セミナーなどに参加してその日は「よし!俺は生まれ変わるぞ!!」などとモチベーションはアップしたけれど、翌日になったらすっかりその意気込みはどこへやら......という経験はありませんか?私はあります。
やはり、モチベーションを保ち続けるには継続して行ける場がないと難しいと思います。点ではなく線で目標に向かって行ったほうが良いです。
つまり、継続的な関係性があることが2つの意味(時間をかけて信頼を醸成し自己開示すること、モチベーションの維持をしていくこと)が大事で、だからこそ継続的な関係を作っていくことができるコミュニティへの参加が必須と考えるのです。
更新:11月22日 00:05