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通知が報酬中枢を刺激する...スマホが手放せなくなる“脳の仕組み”

2023年07月05日 公開
2023年12月08日 更新

アンデシュ・ハンセン(精神科医)

 

毎日1~2時間、スマホをオフにしよう

過剰な使用は悪影響だとわかっていても、スマホを遠ざけるのは簡単なことではない。そこで、まずはアプリなどを利用して自分のスマホ利用時間を知り、自分がどのくらいの時間をスマホに奪われているのかを把握しよう。実態を知ることが、変化への一歩になる。

そして、毎日1~2時間、スマホをオフにしよう。スマホをオフにすることは、周りの人にも伝えておこう。そうすれば、返事がないという怒りのメッセージが届いたり、人をイライラさせたり、そのことを不安に思ったりしなくて済む。

また、目覚まし時計と腕時計を買おう。スマホでなくてもいい機能は、スマホを使わないようにすることも大切だ。少しでも睡眠に問題を抱えている人は、スマホを寝室に置くのはやめ、朝起きるためには目覚まし時計を利用しよう。

人と会うときは、スマホをマナーモードにしてバッグにしまい、一緒にいる相手に集中しよう。そうすれば、一緒の時間をもっと楽しく過ごせるはずだ。SNSアプリはスマホからアンインストールし、パソコンでだけ使うようにしよう。

そしてデジタル時代のストレスへのスマートかつ最善の対抗策が、運動だ。どんな運動でも、身体を動かすことは、ストレスや不安の解消や知的機能の向上に効果がある。散歩、ヨガ、ランニング、筋トレ――何でもいいから、スマホを置いて運動する時間を作ろう。

私たちは、人類が進化の過程で適応してきた環境とはかけ離れた未知の世界で暮らしている。そのことを自覚し、デジタルな世界に生きているという点にもっと配慮すれば、私たちはより健康に、健全に生きられるはずだ。

 

著者紹介

アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)

精神科医

1974年生まれ。スウェーデン・ストックホルム出身。スウェーデンで国民的人気を得た精神科医。ストックホルム商科大学でMBA(経営学修士)を取得し、名門カロリンスカ医科大学で医学を学ぶ。『スマホ脳』『最強脳』『ストレス脳』(以上、新潮新書)、『一流の頭脳』『運動脳』(以上、サンマーク出版)が世界的ベストセラーとなる。

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