2022年12月26日 公開
2024年12月16日 更新
――ミドル以降も成長を続けられる人の条件は何でしょうか。
【西村】あー、それは「怒らない」ことですね。例えば、部下が失敗しても、あまり感情的にならないとか。それは感情のコントロール云々よりも、仕事にそこまで思い入れを持たないほうが良い、というか。
――えっ、仕事に思い入れがないほうがいいんですか?
【西村】仕事への思い入れが強すぎて「成功が絶対!」と思っている人は、部下の失敗にムキになって怒っちゃうじゃないですか。
でも、「仕事はそこそこでいい」「趣味が人生を楽しくする」くらいのスタンスの人は、「じゃ、次は気をつけて」と穏やかに指摘ができる。部下がのびのび働けるのは明らかに後者です。
そして、社内の情報や最新のトレンド知識は、部下に慕われる上司のもとに集まります。なら、そういう人のほうが上司として成長しやすいのは、なんというか当然ですよね。
そういう余裕を持つには、仕事以外で人生を豊かにするものを持ち、会社はお金のために行くもの、という視点を得ることです。それが何かは人それぞれ。
一人で自由に新しい趣味を探したっていいですし、新体験へのパイプ役になる友人を頼ってもいい。僕のように、オンラインゲームなどで遠方の友達を増やしていくのもいいですよ(笑)。
――ひろゆきさんの発言は、よくウェブ上で話題になりますし、毀誉褒貶も激しいです。そのあたり、ご自身ではどう感じていますか?
【西村】そこは結構「他人事」な感じですね。僕自身、つまり「西村博之」という人格と、世間の人が考える「ひろゆき」という人格はあくまで別。
「ひろゆき」が消費されるのを「へ~」と離れた場所から眺めている感じです。小学生の間で僕の発言が流行していると言われても、パリに住んでいたら、それがどう流行っているか直接知る機会もないですし。
...というか、そういう乖離は有名人でなくても発生しますよね。いくら気にしても、他人が思う自分と本人が思う自分は別。思うように評価されなかったり、「そんなつもりじゃなかったのに...」といった行き違いで揉め事が起きたりします。
でも、僕は「人間って、そんなもんだよね」と思いますし、そこは諦めたほうが人生はずっと気楽。そこを気に病んでしまう人が、しなくていい苦労をしてしまうんだと思います。
【西村博之(ひろゆき)】
1976年、神奈川県生まれ。中央大学卒。99年、インターネット上に匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、(株)ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。近年はYouTube等での発信活動にも注力し、配信の「切り抜き動画」の月間総再生回数は3億回超。主な著書に『1%の努力』『99%はバイアス』(共にダイヤモンド社)などがある。
更新:12月22日 00:05