現代の管理職は、「この時代」ならではのマネジャーのあり方も意識する必要があります。世は目下、先の読めないVUCA時代。技術やスキルもすぐに陳腐化してしまうかもしれません。だからこそ、マネジャーは「教える」「指示する」だけでなく、メンバーから学ぶことを心がけましょう。
特に技術や最新情報に関しては、若い人のほうが高い吸収力を持っています。新しいツールやテクノロジーについて教わり、有用なものは取り入れましょう。若い人に活躍の場を提供すること、能力を発揮しやすい職場環境を整えることも、マネジャーの重要な役割です。
特定の年齢の方にしか伝わらないかもしれませんが、私は現代のマネジャーが目指すべきは「ブライト艦長」である、と思っています。初代『機動戦士ガンダム』において、空母ホワイトベースの艦長、即ちリーダーを務めたキャラクターです。
彼自身は戦闘機であるモビルスーツに乗ることはありません。しかし、主人公アムロをはじめとする若き才能に活躍の場を与え、最大の成果を導きました。
こうした姿勢こそ、組織の柔軟性を保ち、そして同時にマネジャー自身の成長をも促してくれることでしょう。
また、現代では「働き方の世代差」も重要テーマです。リーダーの多くは、長時間労働や「飲みニケーション」が当たり前だった時代を経験しているがゆえ、部下たちが定時に帰ったり、時間外の交流に消極的であったりすることにギャップを覚えている場合もありそうです。
しかし、やはりここも発想を転換しなくてはいけません。働き方のスタイルではなく、成果のほうに重点を置くことをお勧めします。
今ではリモートワークも浸透し、時間だけでなく場所においても、働き方の自由度は増しています。その多様性は受け容れなくてはいけません。特定の「スタイル」を理想化しないように気を付けましょう。
しかし、それでいて成果が伸びないというのではやはり困りものです。選択肢を提供し、自由に働いてもらいつつも、納期や成果物のクオリティ、目標の達成度などはきちんと管理し、その見地からフィードバックするのが良いでしょう。
つまり、「業績に結びつく働き方かどうか」が基準となるというわけです。この基準なら、誰にとっても公平ですから、世代を問わず、皆の納得を得られます。指示する際も、「この仕事はこういう意味を持つ」「この意味を持たせるには、この目標値は達成すべし」などとロジカルに説明できれば、部下の納得感とモチベーションはさらに高まることでしょう。
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更新:11月24日 00:05