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年齢は障壁にならない... 運動で変わった「90歳女性インストラクター」の人生

2021年10月18日 公開
2023年02月21日 更新

瀧島未香(フィットネスインストラクター)

 

年齢を重ねることは何一つ障壁にならない

中沢先生から「独立して自分のトレーニングジムを設立する」という話を聞いたのは2010年、79歳のときでした。「私、第1号の生徒になります!」とその場で宣言しました。こうして始まったのが中沢先生によるパーソナルトレーニングです。

先生は最初に「どうなりたいですか?」と私に尋ねました。体型には何の不満もなくなっていた私ですが、体幹ができておらず、身体のバランスが取りづらいのが悩みでした。そう伝えると、「わかりました」と先生。その目的に沿ったメニューを作ってくださって、望みが見事に叶いました。

「次はどうなりたいですか?」と聞かれて、「逆三角形の身体になりたいです」と言えば、それも達成。その後も「お腹を締めたい」「きゅっと上がったヒップにしたい」「姿勢を整えたい」...と、すべてが思いのままに叶っていきました。

それは私にとって喜びであり、驚きであり、そして「発見」でした。年齢を重ねていくことは、何の障壁にもならないということ。身体の使い方を知れば、どんどん健康に、元気になれるのだということ。

ただ「運動って楽しい」とシンプルに思っていた私でしたが、80代になって、さらにもう一つ、扉が開いたような思いでした。この転機がなければ、今の私はありません。パーソナルトレーニングを受けたことは、運命だったような気がします。

 

「諦めた」という言葉をこの世からなくしたい

「今の私」につながる、さらに次の扉を開いてくれたのも、やはり中沢先生でした。ご自分の教室のインストラクターに、87歳の私を推薦してくださったのです。「この8年で教えたことを、そのまま伝えればいい」と言ってくださったものの、当初は戸惑うばかり。

初回のレッスンでは緊張の極みでしたが、ここでも私は大発見をします。授業後、生徒の皆さんが口々に「楽しかった!」「元気が出ました!」と言ってくださったとき、私は、人を元気にすることの素晴らしさを実感しました。

かつて私が得た喜びと元気を、今度はたくさんの人に受け渡していく――。これが、今の私の仕事です。

現在はコロナ禍で、苦しい思いをしている人が大勢います。家で過ごす時間が増え、動く機会が減ったことも、ストレスを高めているように感じます。とりわけ年齢を重ねつつある方は、身体が衰えていくことの辛さや不安を抱えています。

そんな皆さんに伝えたいのは、少しずつでいいから、身体を動かすことを続けてほしいということです。それが自分自身の未来を変えることを、私は経験上知っています。

「諦めた」という言葉をこの世からなくすことが、私のミッションです。今の夢は、全都道府県を回って、それを伝えることです。皆さんを元気に、健やかにする仕事を、これからもたゆまず続けていきたいですね。

 

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