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成功しても満たされなかった人が、50代で気づいた「本当にやりたかったこと」

2021年03月26日 公開
2022年10月11日 更新

林浩喜(社会起業大学学長)

林浩喜

シンプルな生活で見えてくる「自分軸」

50代は、「素の自分」を取り戻すために、色々なものを手放していく時期でもあります。経営者だった頃の私は、虚栄心の塊でした。社員のため、お客様のために事業拡大を目指したはずが、いつしか認められたい、承認されたい、など自分のために変わっていました。

また、他者の目を気にして、豪華なオフィスを構えていました。このように、「組織で生きる自分」が縛られていた虚栄心や見栄、プライドといったものを少しずつ捨てていったのです。精神的なものだけでなく、持ちものや食べもの、着るものなど生活に付随したものもシンプルにしていきました。

これらのものを手放すことができたのは、自分が残りの人生で達成したいミッションには無用であり、むしろ素の自分や素の自分に必要な人間関係を再構築するうえで邪魔になると肚落ちできたからです。

素の自分に必要なものだけを残し、それ以外のものは手放していくことで、自分軸がはっきりしていくのを感じます。いつか訪れる死の瞬間に、納得して人生を終えるには、組織の物差しではなく、己の物差しで生きていくことが大切です。

50代を迎える今こそ、本当の自分を見つめ直し、価値観の再構築と自己ミッションの探求に努めていただきたいと思います。

 

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