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ビジネスは「施し合戦」。値切り交渉に隠された深すぎる意味(モロッコ)

2020年04月07日 公開
2020年04月10日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(53)石澤義裕(デザイナー)

モスクも閉鎖!モロッコ政府の素早い対応


お茶は甘いけれど、価格交渉は渋いです。得意なセリフは、いくら払える?

モロッコで、ロックダウンを喰らいました。

なんてことを言うと、暗黒大陸アフリカでコロナ漬けに遭っていると眉をひそめるかもしれませんが、心配には及びません。

モロッコ王国の危機管理は、「すぐやる課」でした。どの国よりも対応が早いです。

3月2日に初の感染者が発見されると、その3日後には国際会議を中止した秒速英断。加えて、1000人以上のイベントを禁止にします。

2週間後、飛行機の国際線を停止。間髪入れず、カフェ、レストラン、学校を閉鎖。国民の99%がイスラム教でありながら、モスクも閉じました。

モロッコ人のサイード氏曰く、史上初のモスク閉鎖です。腸捻転級の断腸の思いでしょうが、しかし、みな黙して従います。カラオケとかパチンコをしている人なんて、ここモロッコにはひとりもいないのです!

 

外出には書類が必要。とはいえ……

それはいいとして、初感染者からたったの18日目で緊急事態を宣言し、外出制限に突入しました。

帰国しようかどうか悩んでいたスローライフのわが家は、マッハで出られなくなったのです。

許可証がないと外を歩けない外出制限とは、近所で買い物するぐらいは許されるのか、ゴミを捨てることもできないのか?

外国人は許可証の対象外との噂も流れてきまして、その治外法権についてネットで情報を探ったら↓

アラビア語。読めないというより、文字にすら見えません。

泊まっている民泊のオーナーから、外出許可証のプリントをもらいましたが↓

意味不明というより、プリントの天地がわからない。

もう2ヶ月間以上もモロッコに滞在しているわけですが、はじめて異国情緒を味わっています。

 

オーナーの手ほどきをうけて、なんとか必要事項を記入しました。

あとは、役所か警察官のサインをもらってお墨付きになります。

外出許可をいただくために無断外出するというプチ冒険を楽しみ、交差点でおまわりさんを見つけました。

「サインをください!」とお願いしたら、

「いやー、そんなんいいですわー。ようしませんわー」

みたいな意味不明の謙遜とともに断られました。

無認可のまま軽自動車を運転して、大型スーパーマーケットに向かいます。

もし咎められたら、罰金3,300円〜14,000円。あるいは1〜3ヶ月の禁固刑。インドの腕立て伏せやスクワットより、西欧化したモロッコです。

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