2020年03月18日 公開
2022年06月07日 更新
――それ以来、佐久間氏は、世の中の流行りを追わずに、自分の興味や違和感をヒントに企画を立てるようになった。そこからヒットが出るようになったそうだ。
「例えば、『誰も言わないのだけど、誰かに言ってほしいんじゃないかな』と思うことを企画すると、人気が出ることが多いですね。『ゴッドタン』の『腐り芸人セラピー』もそうです。芸人に対して皆がうすうす思っていることを言うことで、面白いと思っていただけているようです」
――だから、企画会議のときに、自分一人だけが周囲と違う反応をしたときは、「ラッキー」と感じるという。
「皆がゲラゲラ笑っているのに、自分だけ面白さがわからない。こういうとき、『自分の感覚はちょっと変なんじゃないか』と感じ、場の空気を壊さないようムリして笑う人が多いと思いますが、心配する必要はまったくありません。そこを掘っていけば企画のヒントが見つかるわけですからね。むしろラッキーなことです」
――佐久間氏が企画を生み出すヒントにしているのは、自分の内面だけではない。芸人の内面にも注目している。
「芸人の中には、まだ『人前で開けていない箱』を持っている人がたくさんいます。『ひねくれた物の見方をする』『意外と真面目』といった性格や、『意外と歌が上手』といった特技などです」
――箱を開けていない理由は色々ある。他のディレクターや放送作家がスルーしていることもあれば、本人が「需要がない」と思い込んでいることもある。
「要するに、マーケティングの観点から、『開けても意味がない』と判断されているわけです。しかし、その開けていない箱の中身のほうが、本人がムリせずに出すことができるうえ、面白いことが少なくありません。そこで、その部分を前面に押し出した企画を立てているのです」
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更新:11月22日 00:05