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キャッシュレス化で、「個人の価値が数値化される時代」がやってくる⁉

2019年11月22日 公開
2023年02月24日 更新

加谷珪一(経済評論家)

資金調達シリコンバレー先端企業でトレンドになっている「ICO」

「銀行から融資を受ける」という従来の資金調達のニーズが縮小する一方で、新たな資金調達の手法も誕生しています。

仮想通貨を用いたICO(イニシャル・コイン・オファーリング)はその一つです。

企業が新規に株式を発行して資金調達する手法はIPO(イニシャル・パブリック・オファーリング)と呼ばれますが、ICOも基本的な仕組みは同じです。

新しい事業やプロジェクトを立ち上げる企業や個人が「トークン」と呼ばれるデジタル上の権利証を発行し、引き受けた投資家がビットコインなどの仮想通貨を払い込みます。

そのトークンの需要が高まり、仮想通貨取引所で売買されるようになれば、売却益を得ることもできます。

ICOなら、株式を発行したり証券所に上場したりする手間やコストが省けるので、小規模なベンチャービジネスでも従来より簡単に資金調達できます。

すでに米国のシリコンバレーでは、先端的なベンチャー企業のスタートアップに仮想通貨で投資するトレンドも生まれています。

大金をかけなくても新しいビジネスを始められるスマホ時代には、ネット上で自分のプロジェクトを宣伝し、賛同した個人投資家から少額の資金を調達するICOの手法は相性が良いため、一定のニーズが生まれる可能性はあります。

ただし、まだルールも何もない段階なので、ICOを行なう企業の中には明らかに詐欺と思われるものも含まれています。現時点で一般の人が安易に手を出すべき投資手法ではないことはお伝えしておきます。

 

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著者紹介

加谷 珪一(かや・けいいち)

経済評論家

1969年、宮城県生まれ。東北大学工学部卒業後、日経BPに記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行なう。著書に『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)など。

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